2012年12月23日日曜日

1か月1,000個の卵子の減少

本日、日本を代表する九州のT先生、仙台のK先生、東京のS先生の4人で、座談会が開催されました。皆さんそれぞれご自身のポリシーを持ちつつ治療をおこなっており、大変勉強になる座談会でした。
さて、その中で、体外受精で、マイルド(自然)周期が良いか、排卵誘発剤を使用した方が良いか、やはり議論になりました。
もちろん、皆さんもマイルド(自然)周期もおこなっているのですが、やはり「一つの方法ですべての方に最も良い方法」はないとの意見でした。
PCOや卵巣機能低下症例は、マイルドや自然周期が良いようですが、卵巣機能がしっかりしている方には、しっかりと排卵誘発した方が、妊娠率も高く、経済的な面でも有効であるとの意見がでました。
自然周期を希望される皆さんの中には、排卵誘発剤を使用すると卵子が早く消費されて、閉経が早くなると考えている方がいらっしゃいます。
しかし、排卵誘発剤の使用で、卵子の消費が多くなり閉経が早く来るとの意見は明確ではありません。一方、自然周期でも1ヶ月1000個の卵子が消費されているのです。むしろ、卵子が少ない方こそ、早期の妊娠を目指すべきであるとの意見もあるのです。
排卵誘発は、やはりその方の卵巣機能、年齢などを考えて変える必要があるとお考え下さい。
一つの方法で最も良い方法があるわけではないのですね。

2012年12月3日月曜日

卵管切除側での排卵による妊娠

卵管を切除した側の卵巣から排卵した場合、皆さんは、妊娠の可能性は0だとお考えでしょうか。

今回、左の卵管を切除し、左側の卵巣から排卵(2回超音波検査をして確認済み)した周期に、妊娠された方がいらっしゃいました。今回は残念ながら、流産とはなりましたが、このようなこともあり得るのですね。以前にも何回かあるのですが、今回は超音波検査を2回しており、左右の間違いはないと思いますので、皆さんにご報告致します。

卵管や卵巣は、ある程度動きます。したがって、子宮の後ろで、左右の卵巣や卵管が近づいたときには、反対側の卵管に卵子が拾われて妊娠することは、多くはないのですが、時々あるのです。

片方の卵管を切除されている皆さん。卵管切除側の排卵でも、妊娠の可能性は0ではありません。交渉は普通通りに持ってみては如何でしょうか。