2014年3月27日木曜日

2013年人工授精成績(グラフ)

2013年の人工授精の成績がでましたので、ご報告致します。
AIH施行は、920例、1930周期でした。
妊娠率 7.4%   (妊娠143周期/1930周期)
 
流産率 24.5%  (流産35周期/143周期) 
多胎妊娠は 1.4%  (2例  双胎1例  三つ子 1例)



全体の妊娠率、 7.4%は例年と同じでした。
35歳未満では妊娠率はおよそ10%、40~42歳では妊娠率は4.4%でした。
40歳以上は、AIHの意義は少ないとお話ししていますが、42歳までならば、がんばってみても良いかもしれません。ただし、AIHに固執して、体外受精の導入が半年も遅れてしまうと、マイナス面が強くなるでしょう。
また40歳以上の場合には、自然周期よりもHMG注射など、排卵誘発を強力にした方が良いでしょう。



40歳未満では、流産率は25%未満でしたが、40~42歳では40%と、約半数が流産しました。
そして43歳以上では、妊娠は2.6%と低いのですが、すべて流産してしまいました。例年でも、43歳以上の方はおよそ80%の方が流産します。したがって、43歳以上の方の人工授精は、可能性が0ではありませんが、ほぼ0なのです。

その他、累積妊娠率をみると、6回まではAIHの妊娠を期待できました。
5回以上AIHをする場合には、HMG注射での排卵誘発もお考え下さい。

日本生殖再生医学会参加報告(生殖細胞とミトコンドリア)

3月16日、大阪で第9回日本生殖再生医学会が開催され、参加してきました。
例年、基礎的なテーマが多かったのですが、学会長はIVFなんばの森本先生。今年は「生殖細胞とミトコンドリア」を主要テーマとして、卵子の老化についての講演と討論がありました。森本先生は卵子の老化とミトコンドリアについては先進的な取り組みをなさっており、すばらしい講演者の先生方を集められて、とても興味のもてる学会でした。
その内容の一部をご報告致します。


1)ミトコンドリアと精子
ミトコンドリアの機能が悪いと、精子の形態も異常をおこすとのことです。
奇形精子が悪いときは、その治療法がなかったのですが、奇形精子が高い場合に、ミトコンドリアの機能を上昇させるビタミンなどを使用したら、奇形精子が低下するかもしれませんね。
今度、アシストワンを使用して、検討してみようと思います。

2)早期に卵巣機能が低下している方の12%(79/648例)に、セイン食滞の問題があったようです。今後当クリニックでも、例えば40歳未満でAMH<0.1の方には、染色体分析もお勧めすることも考えてみます。

3)IVFなんばクリニックの報告でも、
①メラトニン使用で、受精率が改善し、移植胚数が上昇したようです。
②カウンセリングで、妊娠率が3倍になりました。当クリニックでも、臨床心理士の小倉智子先生ががんばって下さっています。不安を抱えている、同じ事を考えている、などの方は、積極的にご相談下さい。習慣流産でも、カウンセリングにより明らかに流産率も低下することが、全世界ですでに認められています。人間は、精神的なことも、妊娠、流産に深く関わるのですね。

4)その他
胚の不良例に、Lカルニチンを使用すると、胚盤胞到達率が、31%から50%に上昇し、妊娠率が20%から39%%に上昇したそうです。
当クリニックでも、アシストワンには1000㎎(4包、20カプセル)のLカルニチンが含まれています。
ビタミンC、Dが問題ない方でも、積極的に使用しても良いかもしれません。

このような学会に参加すると、いろいろまた試してみたいことが出てきますね。
その際には、また皆さんのご協力、ご参加もお願い致します。
皆さんの方から試してみたいことがあれば、ご相談下さい。

2014年3月26日水曜日

2013年体外受精、凍結胚移植の成績(グラフ)

1213年の体外受精(顕微授精を含む)、凍結胚移植の成績がでました。
皆さんの参考に概略をご報告致します。
今回も、昨年の報告を皆さんにご報告できることに安堵しております。
また皆さんにご報告できる成績を出しているスタッフにも本当に感謝しているのです。
このコメントを見ている方で、なぜ成績報告することに、安堵しているのか不思議に思われる方がいらっしゃるかもしれません。しかし、これは非常に大切なことなのです。
なぜならば、信頼できる診療をしている施設かどうかは、治療成績をしっかりと開示しているかどうか、が大きな指標のひとつなのです。信頼おける治療をおこなっているかどうかは、なかなかわかりにくいと思いますが、治療成績の公示の有無を、信頼の一つの指標にしてみては如何でしょうか。

(Ⅰ)新鮮胚移植
2013年の採卵周期はおよそ1,400件で平均年齢は38.7歳でした。
新鮮胚の移植が出来なかった方は、およそ300件弱で、その平均年齢は40.1歳です。やはり年齢が高くなるとキャンセルになる率も上がります。
採卵できても、受精卵が得られない、胚の質が非常に悪い、などで、約20%の方が胚移植できずにキャンセルになってしまうのです。
胚移植できた周期が、約1,000周期で、270周期で妊娠(妊娠率26.5%)されました。


 35歳未満では、ほぼ1個移植なので、妊娠率と着床率はほぼ同じであり、それで妊娠率(着床率)が40%と超えています。これは自画自賛となってしまいますが、スタッフががんばってくれていることを示す、胸を張れる数字です。
一方、40歳以上では明らかに成績は低下し、流産率は上昇します。特に43歳以上では、妊娠が継続するのは2~3%の方のみなのです。やはり、女性の年齢が依然として大きな影響を持つのです。

(Ⅱ)凍結胚盤胞移植
凍結胚盤胞移植は、581周期で、265周期で妊娠(妊娠率45.6%)されました。平均年齢は36.3歳でした。


 凍結胚盤胞移植でも、35歳未満では妊娠率は50%を超え、これも胸を張れる成績だと思います。当クリニックでは、胚盤胞移植は、ほぼ100%1個移植なので、これはそのまま着床率と考えて頂いて良いのです。
胚盤胞まで成長するならば、高い妊娠率が得られます。ただし、胚盤胞まで成長するのは、受精卵の50%未満です。したがって、新鮮胚と凍結胚盤胞の妊娠率を単純に比較することは出来ません。

当クリニックでは、基本は初期胚移植ですが、初期胚でも原則1個移植であり、「全部凍結胚にする方法との差は、わずか1個」と言う見方も出来ます。
全部の胚を、胚盤胞まで成長させて凍結保存する方法を採用している施設も少なくありません。しかし、どの方法が最も良いかは明確になっているものではありませんし、すべての方に、一つの方法が最良であるとも思えません。
当クリニックの考え方と、その成績をお知らせ致しました。

いずれの方法にしても、女性の年齢が最も大きな因子です。
最後に、当クリニックでは体外受精のみをお勧めしているのではありませんが、37歳以上の方には、体外受精の選択肢もお考え頂くことをお勧めしています。40歳以上の方は、体外受精をすぐにお考えすることを、昨年のデータをみると、改めて、再度お勧め致します。












2014年3月20日木曜日

体外受精の合間の人工授精での妊娠(44歳)

最近、40歳以上の方の卒業が続きました。本日は、44歳で、体外受精の合間の人工授精で妊娠され、卒業された方を紹介いたします。
43歳で当クリニックを受診。早期の体外受精を希望されました。初回の体外受精で妊娠するも流産。2回目の体外受精では妊娠せず。3回目の体外受精を予定している合間ににおこなった人工授精(当クリニック2回目)で妊娠され、今回卒業されました。
この方は41歳の時に自然妊娠の経験がありました。
今回のAIHでの妊娠は、偶然といっても良いかもしれませんが、全く準備なしに簡単に妊娠する可能性はかなり低いでしょう。ここには当クリニックの考え方である、「少しでも妊娠する可能性を高めるために、体外受精だけの治療に限定しない」との方針が大きく影響したと考えています。
つまり、
1)体外受精の予定でも、卵管水腫の有無の確認と、卵管の通りを良くする目的で、卵管造影検査をおこなう。
2)卵管が通っているならば、タイミングやAIHも併用する、などです。
実際には43歳の人工授精の妊娠率は1~2%と非常に低いものです。しかし、年齢的には体外受精でも満足できる成績はなかなか難しいものです。
今回の方のように非常に幸運であった例も、以上のような可能性を追求していなかったならば、得られた結果でしょうか。
体外受精を受けている皆さんも、体外受精が治療の中心ではあると思いますが、ご自身で治療をそれのみに限定するのではなく、卵管が開通しているならばタイミングやAIHも併用されては如何でしょうか。また体外受精も人工授精も、禁欲期間が長くなるほど、妊娠率は低下するのですね。交渉回数を増やすことは、体外受精の妊娠率の上昇に貢献するのですから。

印象的な方々の卒業。

最近、合併症のある方、高齢の方々が、同じ日に数人卒業されました。
印象的であったので、ご紹介致します。

1)44歳、2回目の体外受精で妊娠、45歳で出産予定。クロミフェンーHMGで誘発し、3個採卵、2個新鮮胚移植して妊娠。現時点で今年の最高齢かも。AMHは0.32で、ビタミンC、D、DHEAが低く、アシストワンとDHEAを併用。

2)43歳、10回目の採卵周期で妊娠、44歳で出産予定。6cmの子宮筋腫核出術。41歳時に5回目の体外受精で妊娠するも流産。 今回、10回目の採卵周期に5個採卵、2個新鮮胚移植して妊娠。アナストロゾールーHMG誘発。AMHは0.71 アシストワン、メラトニン併用

3)39歳、重複子宮があり、他院のAIHも含めて5回するも妊娠せず。体外受精をして、凍結胚盤胞移植で妊娠、卒業。

4)33歳。糖尿病合併あり、メトグルコ(糖代謝改善薬)を使用。AIH5回後に体外受精を使用。1回目で5個採卵。新鮮胚移植1個で妊娠するも流産。凍結胚盤胞移植でも妊娠し卒業。

様々なリスクのある方は少なくありませんが、同一日にこれだけの方が卒業することは印象的でした。ちなみに全員、体外受精であり、顕微授精ではありませんでした。顕微授精は高度な技術ですが、顕微授精で妊娠率が上昇すると誤解される方も少なくありません。顕微授精は受精させる技術であり、妊娠率をあげる技術ではないのです。通常の体外受精で受精する方には、通常の体外受精の方が妊娠率が高いのですね。今回の方々は偶然かもしれませんが、全員体外受精でした。
出産まではまだ道のりが長いのですが、今後も順調に経過して元気なお子様が誕生される事を心からお祈りしています。皆さん(赤ちゃんも)がんばれ~!

うれしい訪問者、元気が出るのです。私の生きる意義の実感!

本日、とてもうれしく、元気の出る訪問者がいました。
当クリニックが開業してまだ2年位でしょうか。東京の有名な不妊クリニックで体外受精を何回か受けて妊娠せずに、諦めかけていたと聞いております。
最後にと、通院に便利な当クリニックにお二人でいらっしゃりました。そして、なんととても幸運なことに、当クリニックで妊娠されて、無事にお子様が誕生されたのです。
その後も時々、ご主人にお目にかかる機会があったのですが、その度にお子さんの成長の様子をうかがい、お子さんが誕生された幸運と成長の喜びを共有させて頂きました。
それが、昨日にお子さんの小学校の卒業式があり、その報告にと、お子さんとご一緒にクリニックを訪問して下さったのです。
お子さんは、6年間無欠席で、皆勤賞?の賞状を受け、それを見せて頂きました。
お子さんが、がんばって勉強して、成長している、その姿を実感でき、とてもうれしく感じ、感動しました。
お父さんは、私に感謝の気持ちをお子さんと共に伝えに来て下さったのです。しかし、むしろ私から感謝したいと思います。
成長された、がんばっているお子さんをみると、私自身がやってきた仕事、存在した意義を私自身が実感できるのです。ありがとうございます。また私はがんばって仕事が出来ます。
不妊治療はその結果が白黒明確なことで、なかなか皆さんの期待される結果を出すことが難しいことが多く、むしろ日常的には歯ぎしりをする事が多いのです。
しかし、私はこのうれしい実感を一人でも多くの皆さんと共有したいと思います。
もう少しがんばれるかな。

2014年3月14日金曜日

単角子宮の卒業2例。子宮奇形でも諦めずに!

先日も途中経過をご報告しましたが、単角子宮のお二人の方が、同時期に卒業されました。
お一人は、30歳代後半。以前も妊娠中毒症で帝王切開の既往がある方でしたが、今回も凍結胚盤胞移植で妊娠され、妊娠7週で卒業されました。
もうお一人は、過去に4回の流産がありましたが、凍結胚盤胞移植で妊娠され、妊娠7週となり、卒業されました。5回の採卵、4回の流産、1回の子宮外妊娠、を乗り越えての卒業です。
単角子宮、重複子宮など、子宮に問題にある方は、50%程度の流産率が問題となるのですが、逆に言えば妊娠すれば50%で出産可能だとも言えます。
今後も順調に経過して、無事にお子様が誕生される事を祈りたいと思います。

2014年3月9日日曜日

2014年2月の妊娠数報告

2014年2月の妊娠数の報告をいたします。

1)2月の妊娠数 76例     

 ART妊娠    64例    (内訳:  IVF 26例  ICSI 7例     凍結胚移植 31例) 

 AIH妊娠    5例     

その他      7例  (タイミング、クロミフェンなど) 

2月になり、体外受精の件数も多くなるにつれて、体外受精関連での妊娠数は、1月の3倍近くに増加しました。一方、AIHやタイミング、クロミフェン周期での妊娠は実数としても半減しています。今後も、ARTの妊娠数が増えると思いますが、出来るだけ多くの方が早期に卒業できるように、一緒にがんばっていきましょう。

高濃度総合ビタミン剤の「アシストワン」は、現在皆さんに予想以上にご好評を頂いています。
ご主人に使用したら「花粉症が軽くなった」「脱毛症で、髪の毛が生えてきた」と大量に購入された方もいらっしゃいます。これはあくまで個人的な感想ですが、うれしいご意見です。ただ、肝心なのは、卵子や精子の状態が良くなって、妊娠が改善することですので、これについてもデータを集めて皆さんにご報告したいと思います。

診療での皆さんの待ち時間は、特に午前中が長くなり、大変ご迷惑をおかけしております。
現在、看護師の補充も徐々に行えており、少しずつ改善しております。
システム自体も、効率化をおこなっていますので、今しばらくのご理解をお願い申し上げます。
比較的午後は待ち時間が少ないので、可能であれば、午後の診察時間もご利用下さい。

2014年3月2日日曜日

着床障害とは?受精着床学会ART研修会「卵子老化への挑戦」参加報告(その1)2014/03/02

本日、日本受精着床学会第10回ART生涯研修コースの研修会がありました。
今年は「卵子の老化への挑戦と新しい生殖医療」です。
昨年同様、今年も非常に中身の濃い、非常に役立つ内容でした。皆さんにもご報告致します。
まずは着床障害についてです。
特に、最近は、「着床しない原因は何ですか?着床障害の検査と治療をして下さい。」と、着床障害についてしばしば質問を受けます。
本日は、専門家の弘前大学、福井先生の講演を聴き、質問してきました。

さて、私なりの解釈です。

まず、着床不全の定義自体が明確になっていないようです。
40歳以下で少なくとも3回以上の新鮮胚移植で妊娠しない場合、
8細胞期胚を8個以上、胚盤胞を5個以上で妊娠しない場合
10個以上の良好胚移植で妊娠しない場合、
3回以上の良好胚移植で妊娠しない場合、など様々です。
それぞれの国で、それぞれの施設で独自に検査や治療をおこなっているようで、着床障害自体、明確にはなっていないようです。

一方、着床障害の原因としては
1)子宮因子として  子宮奇形、粘膜下筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮腺筋症、子宮内腔癒着(アッシャーマン症候群)
2)重症の卵管水腫
3)免疫因子
4)凝固因子
などがあります。

皆さんは、イメージとして、免疫因子と凝固因子をイメージなさっていませんか?
これらの原因を考えると、
① 1)2)に対しては、子宮鏡と子宮卵管造影検査が必要なのですね。そして、子宮筋腫や内膜ポリープ、重症の卵管水腫、子宮内腔癒着に対しては、手術を考慮することになります。

②次に、免疫因子に関しては、NK細胞が関係しているとのことでした。ただし、血中のNK細胞では判断は出来ないようで、臨床的に利用できる検査は現在ではまだ無いようです。

③凝固因子に関しては、今回は話題に上りませんが、明確な着床障害の原因としては、まだ認められてはいません。ただし、抗リン脂質抗体などがあるようでしたらば、試しにアスピリンやヘパリンの抗凝固剤を考えても良いかもしれません。(ヘパリンは副作用もあり、やり過ぎかも)

したがって、現在行える着床障害の検査は、子宮鏡と卵管造影検査になります。
また、免疫因子の検査は出来ませんが、試してみる治療法としては、当クリニックでも行っていますが、
①ボンゾールの投与:ボンゾールは子宮内膜症の薬で、特に子宮内膜症のある反復不成功の方には当クリニックでも使用してます。ボンゾールの使用により、2.3%の妊娠率が20.6%に増加したとの報告でした。この数字はでき過ぎかもしれませんが、積極的に試してみてもよいと考えています。
②子宮内膜擦過法:子宮内膜を(例えば前周期に)擦過して炎症をおこすことで、免疫能が変化して着床しやすくなる可能性があります。子宮鏡をしただけでも、着床率が上昇した報告もあるそうです。
③グロブリン点滴は、NK細胞の働きを抑えて着床しやすくなるようですが、1回10万~15万円で、週1回ずつおこなう必要があります。データでは4倍ぐらいの成績になるようですが、世界的にはまだ効果が認められているとは言えないようです。当クリニックでおこなっておりません。

なお、数年前にテレビでも報道された、イントラリピッドという大豆栄養製剤により、免疫が抑えられて、着床障害や流産を防止して、赤ちゃんを得られる、との話は、NK細胞には影響しないようで、またこの治療法自体も広まらずに、すたれているようです。

さて、まとめますと、
着床障害には、子宮鏡と卵管造影検査を行い、ボンゾールや内膜擦過法を試してみては如何でしょうか。

子宝サプリ 小浦ゆきえさん、クリニック来訪

先日、「子宝サプリ」著者の小浦ゆきえさんと、自由国民社の編集者井上さんが、クリニックを訪れて下さいました。今回は、出版記念のお二人の来訪と食事会です。
皆さん、「子宝サプリ 授かりやすいカラダになる!」1,400円を読んで下さいましたでしょうか。
まだの方は是非、手に取ってみて下さい。
当クリニックにも、貸し出しでおいていますので、来院中の方は是非ご利用下さい。
小浦さんの専門的知識と体験にもとづいて、非常に詳しく実践的にサプリメントと妊活について記載されていますよ。
私も「監修」として名前が載っていますが、むしろ、小浦さんに刺激を受けています。
私も、アンチエイジング技術を、もっと応用していこうと思います。

 
井上さんは、あの流行語大賞を主催している、「現代用語の基礎知識」発行の自由国民社の編集者の方です。様々な編集の話を聞けて楽しい出版記念食事会を開催できました。
ただし、今回も残念なことに、飲み進むにつれて、私の情けない昔話の百花繚乱(意味が違うか、、、) 単なるおやじギャグの連発となってしまいました。残念~。とても「おもてなし」と言えなかったか~?

何はともあれ、みなさん、是非、手に取ってみてください。よろしくお願い申し上げます。
 

単角子宮の妊娠2例

先日、単角子宮の方が、お二人妊娠しました。単角子宮の方の妊娠は、当クリニックでは珍しいことではないのですが、同時期にお二人妊娠したので、印象に残ったのでご紹介致します。
お二人とも35歳超の方です。
Aさん)
前医で20回以上クロミフェンで排卵誘発を受けていました。ヒューナーテストが不良で、人工授精をお勧めしていましたがなかなか踏み切れませんでした。その後、AIHを飛び越えて、体外受精を希望され、2回の採卵を経て、通算5回目の胚移植(凍結胚盤胞移植)で妊娠、妊娠高血圧症候群を乗り越え、帝王切開でお子さんを出産されました。この方は流産を経験せず出産に至っています。
今回、2回目の凍結胚盤胞移植で妊娠されました。まだ妊娠初期であり胎児心拍は認めていませんが、今後順調に経過することを期待してます。
Bさん)
当クリニックに来院する前に、2回の妊娠がありましたが、1回は妊娠20週前後で流産されていました。単角子宮の場合、やはり通常よりも流早産率は高くなってしますのです。この方はすでに人工授精5回、体外受精を1回受けていらっしゃいました。
当クリニックでも体外受精を開始しました。当クリニックでは、凍結胚移植で妊娠するも、初期流産、子宮外妊娠と、思うような良い結果が得られませんでしたが、今回の凍結胚盤胞移植で妊娠され、胎児心拍も認められました。まだ先は長いのですが、無事に経過することを祈るのみです。

今回は、単角子宮の方です。今回はお二人とも体外受精、凍結胚盤胞移植での妊娠ですが、単角子宮でも今回のように妊娠されるのです。単角子宮は手術で何とか出来るものではありませんが、子宮に問題があっても今回の方のように妊娠可能なのです。皆さんもがんばってみて下さい。
ただ、問題は通常よりも、流早産が多くなります。一般的には、単角子宮や双角子宮の流早産率は50%程度とされます。しかし、この数字にめげるのではなく、挑戦してみて下さい。