2015年7月31日金曜日

37才、AMH<0.1での妊娠2例

このところ、AMH<0.1の妊娠例が続きましたのでご報告いたします。

1)HCG注射を必要とした空胞症候群(エンプティフォリクル症候群)
37歳、初回はクロミッド-HMG注射で排卵誘発し、ブセレキュアスプレーで卵子成熟を試みました。卵胞は4個ありましたが、1個も採卵できませんでした。いわゆる空胞症候群(エンプティフォリクル症候群)でした。おそらくブセレキュアスプレーの効果が不十分であった可能性が高いと思います。卵子は、HCGやブセレキュアスプレーでLHサージをおこし、成熟させないと、卵胞を穿刺しても採卵できないですし、採卵できても未熟なのですね。
2回目は自然周期でHCG注射で成熟させました。卵胞は1個で、採卵1個。2日目に移植して妊娠、卒業できたのです。
ビタミンD、DHEAsは低下していたので、アシストワンとDHEAは使用していました。
通常は、スプレーでもHCG注射でも、卵子の成熟は可能なのですが、稀にそのLHサージを十分におこせずに、卵子がとれないこともあるのです。
対策としては、製造日の異なるロットのHCG注射を2本使用する、HCG注射とGnRHaスプレーの両方(ダブルトリガー)を採用する、などがあり得るのですね。

2)産後、AMHが半年でAMH<0.1と低下しての妊娠例
産後、社会の体外受精時には、AMHは0.57でしたが、半年後にはAMH<0.1となってしまいました。初回は5個採卵、2回目はクロミッドで1個採卵、3回目は自然周期で1個採卵。
凍結精子を使用しましたが、顕微授精ではなく通常の体外受精で受精し胚移植して妊娠、卒業されました。
半年で急速にAMHは低下しうること、凍結精子でも精子の状態が良ければ通常の体外受精でも受精する、などが特記事項だとおもいご紹介致しました。

2015年7月26日日曜日

AMH<0.1で、40歳以上での妊娠例

新クリニックへの転院準備で、3週間ブログの更新ができませんでしたが、この間にもAMH<0.1で妊娠された方がいらっしゃいました。
今回40歳以上で、AMH<0.1での妊娠例をご紹介いたします。

前医(不妊治療専門施設)ではAIHを2回受けていました。
当クリニック来院時、DHEAsが104と低く、ビタミンDも22.7と低めで、酸化ストレスは中等度でした。
40歳をこえる年齢とAMH<0.1でしたので、アシストワンとDHEAをすぐに開始し、治療を急ぎました。
来院周期に人工授精、翌周期にはクロミッド誘発での体外受精を行いました。
1個採卵、5細胞グレード4、子宮内膜7mmと、条件は必ずしも良いものではありませんでしたが、幸いに妊娠、卒業されました。

①グレード4でも妊娠する可能性があり、
②子宮内膜は7mm以上あれば着床できる可能性があるのですね。
子宮内膜は8mm以上が理想ですが、7mmでもOKなのです。また、内膜の厚さにかかわらず、ビタミンCやEを使用すると妊娠例はあると報告されています。

前医で9回のIVF後の、AMH<0.1での妊娠例

前医ですでに9回の体外受精(胚移植は5回)を受けていた、35才前後の方ですが、当クリニック来院時にはすでにAMH<0.1でした。

当クリニックでは、このような場合には、単に体外受精をするのではなく、卵巣機能を含めてしっかりと検査をしてから対応しています。

この方は、子宮鏡検査で8mm程度の子宮内膜ポリープを複数認めたため、子宮内膜ポリープ切除術をおこないました。着床障害の基本は、子宮鏡で子宮内にポリープや癒着がないかどうかを調べることが最も重要なのですね。

また,DHEAs、ビタミンD、ビタミンCも低く、酸化ストレスもかなりの強度で認めましたので、アシストワンと、DHEAを補充。

主に完全自然周期で採卵を試みました。
完全自然周期なので、卵胞は1~2個、採卵できない事もしばしばありますし、採卵できても受精せずに胚移植できないこともしばしばあります。
この方は、採卵試行6回、2回は採卵できず、採卵できても2回は胚移植できず、胚移植2回目での妊娠でした。現在心拍も認めていますが、今後も順調に経過することを祈るのみです。

卵巣機能が非常に低くても、比較的若い年齢ならば、卵胞さえできれば何とか対策をとれるものです。しかし、単に体外受精をするのではなく、しっかりとした検査もおこなって、条件を少しでも改善して進める方が良いでしょう。

新クリニックの工事経過報告(ただいま急ピッチ)

3週間ぶりのブログです。転院の準備で、ブログが疎かになっておりました。
日々、37度にも及ぶ猛暑ですが、皆さん大丈夫ですか?熱中症にはお気をつけ下さい。
私はできるだけ外に出ないように引きこもっています。(年寄りっぽいかな~?)

この数日は独身生活を楽しんで?います。朝は吉野家での納豆定食、牛鮭定食、などが多く、夕食は、ベジ牛丼、カレー牛、ウナギ重など、もう少しで吉野家を征服できそうですね。
今日は、頂いた小アワビを殻からはがして刺身にし、ハマグリは酒蒸しにして、一人ダイニングをしております。料理は久しぶりだナー!
誤解のないように説明いたしますが、家族に見放されたわけではありませんよ。(いちいち言い訳する必要があるのが、微妙に危ういか?)

さて、肝心のクリニック移転の件ですが、現在も新クリニック開設に向けて、工事も急ピッチで進めております。途中経過をご報告いたします。
新クリニックで皆さんのご来院をお待ちできるよう、現在奮闘中です。


ここは、皆さんの待合室です。6階ですので、景色も良く、明るいですよ。




中待合スペースです。非常に広く、開放感もあり、小さなテーブルも置く予定です。



中待合からの景色です。「千葉そごう」や「千葉都市モノレール」もみえて、ほどよい景色を楽しめると思います。


ここは安静室です。カーペットも張りました。緑の文様の柄ですので、他のスペースとは異なる雰囲気を醸し出しています。これからカーテンでの仕切りを取り付ける予定です。


ここは診察スペースです。今までと同様に、診察と内診室のセットで、ひとりひとりを丁寧にみるスタイルを守りました。皆さんをお待ちしております。



ここは、検査室、精子の処理室です。今までより2倍の作業スペースを確保できました。今まで提供できなかった技術もどんどん提供していけると思います。技師の皆さん!よろしく~!!

2015年7月2日木曜日

重要なお知らせ!! クリニック移転致します。

この間、3週間ほどブログの更新ができませんでした。
様々な用事が立て込んでおり、更新する余裕がなかったのですが、いくつかのおおきな進歩があり、本日皆様にお知らせできる運びとなりました。

高橋ウイメンズクリニックは、この8月に移転する事となりました!

現在のクリニックは1999年に開院し、その後、1階の拡張工事を行い、診察室も2室に増築したのですが、不妊治療、体外受精を必要とする方の増加に追いつかず、最近は予約を制限する必要があり、皆様にはご不便をおかけしてまいりました。

今回、縁があり、より千葉駅に近い、「千葉そごう」の向かいの新町ビル(1階はセントラルフィットネスクラブ)に移転することとなりました。
これにより、診療スペースも増えて、今まで以上に、皆さんのご要望にお応えすることが可能になると思います。

写真は、内装の初期の状態です。こうみると広そうでしょう。
今後皆さんにも工事の経過もご紹介致します。


なお、移転に伴い、7月31日から8月4日まで休診とさせて頂きます。
グランドオープンは、8月8日(土)の予定です。
8月5~7日は、午前中のみのプレオープンを予定しております。
皆様、請うご期待!!



2015年6月の妊娠数

2015年6月の妊娠数が出ましたのでご報告致します。

今年も半分が過ぎました。皆さん、お変わりありませんでしょうか。

3週間ぶりのブログアップです。この間、いろいろする事があり、ご報告が少なくなっていました。また情報を発信していきます。

6月の妊娠数としては例年とほぼ同じですが、今年のペースとしてはやや少なめの印象でした。


2015年 6月の妊娠数 74例 

ART妊娠    55例    (内訳:  IVF 18例  ICSI 8例    凍結胚移植 29例) 

 AIH妊娠    9例     

その他一般不妊治療   10例  (タイミング、クロミフェンなど) 

5月までの妊娠数は482例であり、年間妊娠数1,000例のペースをやや下回りました。

今後、巻き返して行きたいと思います。