2012年1月31日火曜日

傷つく言葉、うれしかった言葉

本日、NPO法人Fineから会報誌が届きました。Fineは、{不妊当事者とその予備軍、妊娠を望むすべてのカップルや周辺の人たちに向けて「妊娠・不妊についての正しい情報の発信」を目的}にしています。ご存じの方も多いと思います。今回の会報は『Fine祭り2011 ひとりじゃないよ! 不妊』の報告集でした。当クリニックも毎年協賛しているのです。皆さん、ひとりではありません。共にがんばっていきましょう。
ところで、このスタッフブログ紹介の中で、「傷つく言葉」として、「元気出して」「あきらめていると思ったわ」「子供ができたらできたで大変なのよ」「教育費がかからなくていいじゃない」などがあげられていました。使用している本人は気づかずに使用しているのかもしれませんが、やはり相手の気持ちを考えて欲しいものです。
一方、うれしかった言葉のひとつに、
治療経過をわかっている医師から「もうこれ以上、やることはないです」と言われて、もう努力しなくて良いのだと、ホッとした。
との紹介がありました。これは医療提供側としては、やるせない気持ちになります。なかなか医師側からはこの言葉を言うには勇気がいります。受け取る人により、「見放された・見捨てられた」と受け取られるのではないかと思ってしまうのです。この言葉を言えるのは、やれることを互いにしっかりやって、信頼関係ができた患者さんにのみ言える言葉なのだと思います。しかし、信頼関係を築けた方に「もうやることがない」と言えるという、ジレンマを感じてしまいます。
今回はやや暗い話題になってしまいました。

2012年1月22日日曜日

他施設見学

1週間のご無沙汰でした。年が明けて様々な会議や新年会などの用事が一気に始まり、ブログを綴る時間がない1週間でした。
本日は、名古屋にある浅田レディースクリニックの見学に職員と共に行ってきました。名古屋駅前のプラダの上という一等地にあり、クリニック自体も非常に美しく、また様々な工夫がなされた、流石、日本を代表する不妊症治療医の一人である浅田先生のクリニックです。待合室は空港、培養室は宇宙船をイメージしたコンセプトでつくられており、スマートな印象です。他施設を見ることは非常に勉強になります。皆さん様々な工夫をしており、当クリニックにも取り入れてよりよいクリニックにしたいと思います。すばらしい先生方と交流を持てて、私は非常に幸運だと思います。
さて、当クリニックでは、胚移植後の安静時間を徐々に短縮して15分ほどにしています。浅田レディースクリニックも徐々に短縮し、現在では胚移植後の全く安静時間をとっておらず、妊娠率も低下しないとのことでした。胚移植を受けた方は、すぐに立つと胚が落ちてしまうと心配なさる方が多いと思います。しかし、胚は1mmにも満たない大きさであり、すぐに立っても落ちたりしないのです。皆さんも今後は心配されないでよいでしょう。

2012年1月16日月曜日

ブログを見ていただいている御礼

最近、このブログを見て下さっている方から、お声を頂いています。大変ありがたく、うれしく感じています。ブロガーがたくさんいらっしゃって、個人の生活の様子などもどんどん発信している方も多いのが以前はよく理解できませんでしたが、見てくれている方から声をかけられるとやはりうれしいもので、その気持ちがわかる気がします。ただ、今のブログは、単色の文章のみであり、非常に色彩にも乏しいので、今後はより色彩などにもこだわって、できるだけが画像も入れたいと思います。今回は決意表明でした。今後ともよろしくお願い致します。

2012年1月12日木曜日

黄体機能不全

本日、黄体機能不全に非常のこだわる方がいらっしゃいました。黄体機能不全とは、基礎体温表で、11日以内の高温期、高温中期の黄体ホルモンが15未満、などの定義があります。黄体機能不全は不妊症の大きな原因と考えている方もいらっしゃいます。
ただ、当クリニックでは黄体機能不全をあまり重視していません。基礎体温は測り方で容易に変化し、また毎周期同じものでもないのです。黄体ホルモンも、毎周期異なっているものでしょう。
実際には黄体機能不全は不妊症の原因としては、小さい原因なのです。治療としては、黄体ホルモンを補充するよりも、まずは排卵誘発剤を使用するのが根本治療だと思います。排卵誘発剤を怖がって使用せず、黄体ホルモンのみ補充しているのは、あくまで基礎体温表を整えている程度の治療法でしょう。
皆さん、あまり「黄体機能不全」という言葉を気にしないでよいと思いますよ。

2012年1月10日火曜日

新年のご挨拶

遅れましたが、新年のご挨拶を申し上げます。
昨年は震災・原発事故があり、当クリニックも影響を受けましたが、現在は来院者数も元に戻りました。昨年ほど周囲の皆さんに助けられたことはありません。
今後は、より皆さんのお役に立てるようにがんばっていきたいと思います。