2016年9月19日月曜日

全国の体外受精 2014年統計


生殖補助医療(体外受精)関連の2014年の日本全国の統計が、マスコミから発表されました。


引用しますと、

2014年に国内で実施された生殖補助医療(体外受精・顕微授精・凍結胚移植すべての治療周期)の件数は39万3745件で、ほぼ40万件となったようです。

その結果4万7322人の子どもが生まれ、いずれも過去最多となったことが日本産科婦人科学会から発表されたとのことです。しばしば会員に直接知らされるよりも、マスコミの発表経由で知ることも少なくないのです。

14年の総出生数は約100万3500人とのことなので、体外受精関連で生まれた子の割合は約21人に1人となった計算になります。学校のクラスに2人ぐらいは体外受精関連で生まれたお子さんであると言うことなのですね。
 生まれたお子さんの約半数は、凍結胚移植による妊娠となっています。日本は、世界で最も胚凍結の技術が進んでいる国なのです。

実は、日本は体外受精の件数が世界で最も多いのです。これにはいくつかの理由があります。
まず、
1)結婚年齢が高くなり、難治性の不妊症患者さんが増加していること。
2)体外受精をおこなっている施設が最も多いこと。 
3)1回の体外受精の費用が比較的安いことがあげられています。日本では体外受精は1回30~50万円が多いのですが、例えばアメリカでは1回150万円ぐらいかかるのですね。

体外受精で生まれた子どもの数は累計43万1626人となり、初めて40万人を突破したそうです。

皆さんの妊娠が少しでも多くなるように、私たちもまだまだがんばっていきたいと思います。

2016年9月14日水曜日

44歳、採卵8回目、胚移植8回目で妊娠卒業された方

先日、44歳、8回目の採卵、8回目の胚移植で妊娠され、卒業された方がいらっしゃいました。
時間がかかりましたが、よく頑張られた方であり、ご紹介致します。

当クリニックには41歳で来院。
AMHは1.86と年齢相応。
採卵7回までは、HMG-アンタゴニスト法5回、ショート法2回で排卵誘発。この間、胚盤胞は1個のみでした。やはり年齢と共に胚盤胞になる胚も少なくなるのでしょう。

今回はロング法での排卵誘発でした。8個採卵、顕微授精で6個中4個授精。
2個新鮮胚移植し、2個着床妊娠。心拍1児のみ認めて卒業。胚盤胞1個保存。
対策は様々おこないましたが、アシストワン、DHEA、メラトニン服用。
ロング法はある程度卵巣機能が良くないとおこないにくいのですが、AMHが1.5以上ならばロング法を試してもよいかもしれません。この方はぎりぎりでしたが幸いに反応してくれた周期でした。
本当はもっと早くに結果が出て欲しいのですが、40歳を超えると、なかなか簡単にはいかないのです。実際には「やれることをすべておこなう」様なことになるのですね。
また、44歳になると、妊娠しても70%程度流産してしまいます。出産まではまだ長いのですが、良い経過である事を祈るばかりですね。

他院で採卵3回、胚移植5回後の、子宮筋腫により胚移植困難だった妊娠例

他院で、採卵・顕微授精3回胚移植5回の、35歳前の方が先日妊娠されて卒業されました。
当クリニックでは採卵1回目、ロング法、8個採卵、スプリットで、体外受精で2/4受精、ICSIで4/4授精。体外受精での8細胞胚を1個移植し妊娠、卒業となりました。胚盤胞3個凍結(体外受精胚盤胞1個、ICSI胚盤胞2個)保存。

この方は、子宮後壁に85×77mm、前壁に38×33mmの筋腫がありましたが、子宮鏡検査で子宮内への突出がなく 、手術はしない方針となりました。
反復不成功症例、ビタミンDは欠乏状態の19.8だったので、アシストワンを採卵1ヶ月前から服用。
ボルタレン座薬で8個採卵。
前医では3回とも顕微授精でしたが、精子の状態は悪くなく、スプリット方を採用。
通常の体外受精でも4個中2個受精・分割しました。精子が良い場合には、以前に顕微授精であっても、今回のように半分に分けて体外受精と顕微授精をおこなうスプリット法が有効なことがありますね。

問題は、子宮筋腫が大きく、胚移植での子宮内膜が非常に見えにくかったのです。
子宮内腔はかなり腹部頭側まで上昇しており、経膣エコーではわかりません。
経腹超音波で子宮内膜を必死に探して、ほぼ真横に偏在していた子宮内に移植致しました。
今までも移植はかなり難しかったのではないかと推測されます。
しっかりと胚移植することが非常に重要なのですね。

この方は大きな筋腫があるので、今後も流産、早産に気をつける必要がありますが、良い経過である事を祈るばかりです。

2016年9月12日月曜日

ビタミンD、ビタミンCの効能と、アシストワンでの効果

当クリニックでは、アシストワンという高濃度マルチビタミン製剤、ビタミンD、葉酸の3種類のビタミン剤をお勧めしています。アシストワンには、ビタミンD、葉酸が十分に含まれるので、この2つは、アシストワンを使用している場合には必要ありません。
妊娠された場合には、アシストワンから、葉酸とビタミンDに変更して下さい。

当クリニックでは、ビタミンDやビタミンCと測定して、少ない方には、ビタミン剤をお勧めしています。
今回、アシストワンの使用前後の、ビタミンDとビタミンCの血中濃度を測定しました。
かなり改善された結果でしたのでご照会致します。

1)ビタミンD

ビタミンDの理想値は30ng/ml以上とされています。少なくとも20ng/ml以上が目安にしています。
しかし、当クリニックでのビタミンDの平均値は12~13程度と、完全にビタミンC欠乏症(<20ng/ml)なのです。
ビタミンDは生殖でも重要で、40代ではビタミンD濃度が低い女性ほど卵子の減少が早い(AMH濃度が低い)、卵胞液中のビタミンDの濃度が高い女性ほど体外受精の妊娠率が高い、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の女性はビタミンD不足が多く、ビタミンDを補充することで排卵率が改善される等の報告があります。また、妊娠中にビタミンDが不足すると、妊娠や出産のリスクが高くなるとの報告もあります。

下の図は、当クリニックで測定した、アシストワンの投与前後のビタミンDの値です。
ビタミンDが欠乏状態の、12~13ng/mlの状態が、アシストワンを服用すると、理想値とされる30ng/mlをこえる値を得られました。
 
 



2)ビタミンC


また、風邪の予防としてビタミンCを摂取する場合も、推奨量より多めに摂取することをおすすめします。ビタミンCは1度にたくさん摂っても2~3時間で尿と一緒に体外へ排泄されてしまいます。サプリメントで補う場合は1日の量を数回に分けて飲むことでビタミンCの効果を持続させることが出
来ます


 


ビタミンCの働きには次のものがあります。

①.コラーゲン(生体内たんぱくの3割を占める。
      皮膚にハリをもたせ、血管の壁を丈夫にする) 
②.メラニンの生成を抑え、皮膚の色素沈着を防ぐ(美白効果)
③.活性酸素の働きを抑える広範囲な抗酸化作用
④.免疫力を高め、病原菌に対する抵抗力を高める
⑤.鉄の吸収を助け、貧血を予防
⑥.抗ストレス作用のある、副腎皮質ホルモンの合成を促す       

ビタミンCと活性酸素

ビタミンCには、活性酸素が細胞膜を酸化させて、細胞をキズつける
のを防ぐ抗酸化作用があります。
活性酸素は、細胞の老化、心筋梗塞、動脈硬化、狭心症、ガン、
白内障などに関与
がんの転移を防ぐ






アシストワンを投与前は、ビタミンCは平均10µg/mlでしたが、
アシストワンを使用すると、15µg/ml以上に上昇しました。
アシストワンで、十分なビタミンDとビタミンCが上昇することが
明確になりました。
アシストワンで、「体の疲れも軽くなった」というご主人の
使用経験談もあり、生殖医療以外でも効果がありそうです。
 



 

 

 

2016年9月7日水曜日

2016年8月妊娠数報告 1か月のご無沙汰でした。

ブログは1か月ぶりの更新です。
夏休み?気分はそろそろ終わりにして、また診療モードに戻さなければいけませんね。
しかし、8月を過ぎ、9月に入ると、まだまだ外は暑いのですが、気分は年末に向けてのスケジュールを考え始めるのですね。
8月で、クリニック移転1年となりました。日々のすぎるのが早いこと! もっと頑張らねば!!


2016年8月の妊娠数をご報告致します。

2016年 8月の妊娠数 89例  

ART妊娠    72例    (内訳:  IVF 11例  ICSI 6例    凍結胚移植 55例) 

 AIH妊娠    14例     

その他一般不妊治療   3例  (タイミング、クロミフェンなど) 

8月の妊娠数89例と平均的な妊娠数を維持しました。夏のお盆時期もあり、体外受精の採卵数も控えめであり、体外受精、顕微授精はやや少なめでした。一方、凍結胚移植は採卵とは関係ないので55例の妊娠は今年最多の妊娠数です。今後も凍結胚移植妊娠の数が増えてくるのでしょうね~。8月までで、今年の妊娠数694例です。年間1,000例に向かってギアアップするぞ~~。

2016年8月5日金曜日

44歳時の凍結胚を移植して卒業した46歳例

先日、44歳で採卵・凍結保存した胚盤胞を移植して妊娠、卒業された46歳の方がいらっしゃいましたので、ご紹介致します。
やはり高齢の方はなおさら、採卵できるならばできるだけ多くとる方がよいのではないか、と感じた1例です。

当クリニックには43歳で来院、すぐに人工授精・体外受精を開始しました。AMHは2.45と良い状態でした。
3回の体外受精では妊娠せず、胚盤胞の凍結もできませんでした。
DHEA、アシストワン、メラトニンを併用しつつ、
4回目の体外受精(44歳)では、11個採卵、2個胚移植し、妊娠するも流産。
2個の胚盤胞を凍結保存していましたが、後日1個の融解胚を移植して、妊娠。45歳で出産。

今回は、46歳(出産後8ヶ月)で、残りの1個の胚盤胞を融解移植して妊娠し、卒業されました。

この方は卵巣機能もとても良く、排卵誘発剤に良く反応して、たくさんの卵子が得られました。
高齢の方は、やはり、卵子を多くとれるならばできるだけ多くとっておく方がよいということでしょう。
この方は、44歳で胚盤胞を凍結保存できていました。40歳を超えると、2年の差は非常に大きいものです。採卵数が期待できるにもかかわらず、排卵誘発剤をマイルドにして少ない採卵数の場合には、妊娠、出産して、その後に再度採卵から始めると、妊娠できるできるかどうか難しいことが予想されます。
例えば、この方の場合、46歳で採卵から始めると、当クリニックでもトップ3に入る年齢での妊娠を期待する必要があるのです。
少しでも若いうちに、胚を凍結しておけるならば、高齢でも妊娠できる可能性が、採卵時の年齢相応に期待できるのですね。



2016年8月4日木曜日

AIH6回後のHSG後の自然妊娠例

移転後1年経ち、体制も落ち着いて整ってきて、すぐの体外受精までは考えていない場合でも、妊娠を積極的に考えている方は受診を受け入れることでできるようになりました。

今回は、一般不妊治療での妊娠例で、HSGの重要性を感じた30歳前半の1例です。
体外受精もできる前施設で、AIHを6回受けて妊娠せずに当クリニックを受診されました。
そろそろ体外受精を考えていらっしゃいました。
当クリニックでもその準備として、HSGと子宮鏡検査を施行しました。子宮鏡検査では1cm程度の子宮内膜ポリープがあり手術も予定していました。
生理が来たらポリープの手術をしましょうとしていたところ、生理が来ないと言うことでした。
HSGと子宮鏡検査を施行した周期に自然妊娠されたのです。
この方は、HSG検査を受けずに、通水検査のみをうけて、AIHを6回受けていたのですね。当クリニックでは、通水検査はあまり重要視しておらず、ほとんどおこなっておりません。通水検査は、開通の有無が不明瞭であり、左右の状態の把握が不可能で、癒着も全くわからないのです。一方、HSGはその後の妊娠率は圧倒的に高いのですね。卵管の通過性を良くする治療目的で、HSGは1年ごとの検査を当クリニックではお勧めしています。
内膜ポリープがあっても、これも絶対的な不妊原因とも言えません。この方はポリープがあっても妊娠された幸運な方ですが、高額な体外受精を予定する場合には、やはりポリープの手術はしておく方がよいでしょう。一方、よりHSGの重要性を示す事にもなりました。

私は簡単におこなえて、妊娠の改善を期待できるHSGを重要視しています。
また、(子宮と卵管の境の)間質部が閉塞している場合には、全国的にも少ないと思いますが、閉塞部側のみにカテーテルを進めて圧をかける、選択的卵管造影開通術もおこなっています。これで通常のHSG閉塞している卵管の半分は開通するのです。
それでも閉塞している場合には、卵管鏡下卵管形成術(FTカテーテル)も日帰りでおこなっています。結構卵管にこだわった治療をおこなっているのですね。

前医で体外2回、顕微1回のART反復不成功後の初回AIHの妊娠例

前医で体外受精2回、顕微授精1回受けたART反復不成功であった34歳の方が、AIH 1回目で妊娠されました。
当クリニックでも体外受精に向けて準備しており、次月に体外受精をする予定でした。
準備段階では、卵管造影検査と子宮鏡検査をしており、その周期でAIHをおこなったのです。
体外受精目的での受診、検査、AIH妊娠で、2ヶ月での卒業となりました。
この方は非常に幸運であったと思います。
しかし、体外受精を目的にしていても、卵管造影検査と子宮鏡検査をおこない、AIHも決して無駄ではないことの一例でもあります。妊娠のために手段を体外受精のみに限らず、可能性を広くとらえることも重要だと当クリニックでは考えています。

乳がん手術後、40歳の卒業

先日、乳がん手術後の40歳の方が、妊娠されて卒業されました。
乳がん手術は今年に受けていらっしゃり、術後のホルモン療法を検討されていました。しかしホルモン療法を開始すると、生理が止まり、妊娠は延期されます。
今回は妊娠を優先されて、体外受精をすぐにご希望されました。
ご本人のご希望もあり、ホルモンをあげたくないとのことで、乳がん治療薬のレトロゾール(フェマーラ)のみでの排卵誘発を採用しました。
7個採卵、4個は未熟で、3個受精、1個移植して、幸運にも妊娠し、卒業となりました。また、幸いに胚盤胞も1個保存できました。
今後、良い経過である事を祈るのみです。がんばれ~。
乳がんの方の場合には、排卵誘発剤でのホルモンの上昇を抑えるために、レトロゾールがしばしば用いられます。一方、妊娠中は排卵誘発剤使用時と同等以上のホルモンの状態が10ヶ月も続くので、排卵誘発剤使用の2週間程度は、実際には無視できるものとなり、誘発剤の使用方法にはあまり心配されないでも良いでしょう。

7月の妊娠数94例 もう少しで大台だった!

2016年7月の妊娠数をご報告致します。

2016年 7月の妊娠数 94例 (今年3位タイ) 

ART妊娠    70例    (内訳:  IVF 15例  ICSI 15例    凍結胚移植 40例) 

 AIH妊娠    18例     

その他一般不妊治療   6例  (タイミング、クロミフェンなど) 

7月の妊娠数94例と100例の大台までもう少しと健闘しました。成績は今年3位タイという、微妙なところで、「平均的」とも言える成績です。特徴としては、今月はICSI妊娠が15例と今年最多と健闘した印象です。
7月までで、AIHは118例(月約20人)、ART全体408例(月約60人)、凍結胚移植269例(月約40人)の方が妊娠されているところです。
6月の巻き返しもあり、7月までで605例の妊娠と、年間1,000例妊娠のペースを何とか回復しました。
このまま、月間100例以上の妊娠を目指してがんばります。

2016年7月21日木曜日

NHKで糖質制限の番組2編

先々週の「ためしてガッテン」、昨日の「クローズアップ現代」で、糖質制限のテーマで放送していました。
糖質制限でダイエットが成功した例もありましたが、ふらつく、筋力低下、脱力感などの副作用があり、危険性もあり注意が必要だ、との主張でした。
しかし、今回の副作用に関しては、単なる誤解から来る副作用である事がわかります。

当クリニックでも、今後不妊治療に糖質制限の考えを応用しようとしています。当クリニックでの妊活食は、以下のような注意、勘違いの補正が必要なのですね。

1)糖質制限とは、単に糖や炭水化物を少なくすれば良いと考えていませんか?
 糖質制限食とは、単に糖や炭水化物を減らすのではなく、タンパク質や脂肪をたくさんとる必要があるのです。
 簡単に言えば、おかずをおよそ2倍にして頂ければ良いのです。例えば、1日、肉は200g、卵は3個以上、チーズは6個以上、などをとって頂きたいのです。最近はMEC食(ミート、エッグ、チーズ)と言う言葉も用いられています。
むしろ、タンパクや脂肪をどんどんとって頂く必要があるのです。「制限」ではなく、「タンパク、脂肪を増やす」のです。
 めまいや筋力の低下、脱力感は、単にエネルギー不足なのです。もっとしっかりた食べる必要があるのですね。しかし、糖質制限をしていれば、身は引き締まって、筋肉はつきます。

2)脂肪、油は悪いものと考えていませんか?
 むしろ、脂肪や油はどんどんとった方がよいのです。バターやラードはどんどんとって下さい。これで血糖は上がりません。マーガリンは悪い油ですので、とらないようにして下さい。

3)コレステロールは悪いと考えていませんか?
 実は、コレステロールは細胞膜を作っているのです。悪者ではなくむしろ必要なのです。最近ではコレステロールが多少高くても気にする必要がないとされています。むしろ、コレステロールが低い方が死亡率はずっと高くなるのです。

今後、タンパク質、脂肪をしっかりととるような栄養相談をして、しっかりとMEC食を不妊治療に応用したいと思います。準備できましたらばまた皆さんにお知らせ致します。


2016年7月16日土曜日

座薬鎮痛剤で、どれだけの採卵が可能でしょうか?

多くの方が、採卵時の痛みを気にされています。
膣から体内に針を刺すのですから、緊張して、怖がることは当然のことと言えるでしょう。
当クリニックでは、3種類の痛み止めの方法を採用しています。
1)ボルタレン座薬:  意識はあり、採卵後すぐに歩いてベッドに帰床。

2)ペンタジン点滴:   意識はあり、採卵後すぐに歩いてベッドに帰床。ボルタレン座薬よりも鎮痛効果は強い。使用後、しばしば吐き気が強い。採卵時の卵子の様子をモニターで見ることも可能。

3)プロポフォール点滴(麻酔):  意識はなく、痛みは全く感じない。採卵時の卵子を見ることはできない。

10個以内の卵子が少ない場合にはボルタレン座薬を主に使用します。この場合には、多くの場合、主に高橋が採卵をおこないます。
一般的には、ボルタレン座薬を使用する方から順に採卵を始めます。次にペンタジン、最後がプロポフォールの方の順になります。
採卵数が多い方や、採卵時の痛みがとても怖い方にはプロポフォールの麻酔がお勧めです。この場合には、藤田医師や熊耳医師が主に採卵をおこなっています。

ところで、先週、ご本人の意向もあり、お二人の方が、卵子数がたくさんにもかかわらず、ボルタレン座薬のみで採卵をおこないました。
そして、採卵数は、 23個と 21個の卵子が得られました。 
採卵は、高橋がおこないました。
お二人とも、採卵中、私や看護師さんと話をしながら、顕微鏡で卵子を探している様子もモニターで見ながら、採卵に要した時間は、15分8分でした。
採卵後はすぐに起き上がり、ベッドに帰床しました。
採卵中、痛みを感じないわけではありませんが、今では穿刺針も細いものを使用しているので、このように20個以上の採卵数の場合でも、座薬でおこなえる事があるのですね。これが最初というのではなく、ときどきあることなのです。
もちろん、すべての方に座薬のみで採卵が可能なわけではありませんが、採卵にとても不安を感じている方に、その不安を低下する材料になればとご紹介致しました。

2016年7月7日木曜日

アシストワンが雑誌で紹介されました!

先日、アシストワンが、雑誌で紹介されました。
他のサプリメントと一緒なのですが、皆さんにもご紹介致します。
先日発売された主婦の友社の「妊活スタートBOOK」の「サプリメントカタログ」のなかに、しっかりと紹介されています。
紹介ページの中央に燦然と輝いてきますね!皆さんわかりますか。

なんですと~~! わからないとおっしゃる!
しかたない。その部分を拡大致しますよ。よろしいですか。


いかがです!しっかりと紹介されているでしょう。
紹介文もしっかり読めますでしょう?
なんですと~~! 読めないとおっしゃる!

よろしいですか~!

抗加齢学会専門医(つまり私のことです)が開発
医薬品レベルのサプリメント
抗加齢医学を生かし開発された、医薬品レベルのサプリ。成分は男女兼用できる内容、かつ高濃度配合。個別包装で成分の劣化も防止。

良くぞ紹介して頂きました。
多くの方に知って頂けるきっかけになって欲しいものです。
少しでも皆さんの卵子や精子の状態が良くなるとうれしいな~~。





2016年7月6日水曜日

45歳、AMH<0.1、妊娠卒業!

45歳、AMH<0.1、体外受精で妊娠、卒業された方がいらっしゃいましましたので、ご紹介致します。出産時は46歳ですので、今年のシーズン記録です。

43歳で、もうおひとり、お子さんを希望されて来院。子宮鏡で子宮内膜ポリープを認めたために、内膜ポリープ切除術を施行。
1年前にすでにAMH<0.1となりましたが、体外受精を開始しました。
1回目 採卵3個 2個移植 化学的妊娠 クロミッド周期
2回目 採卵2個 2個移植   クロミッド周期
3回目 採卵4個 2個移植  クロミッドーHMG周期
4回目 採卵1個 移植できず  クロミッド周期
5回目 採卵3個 1個移植 妊娠、卒業   クロミッド周期
この間、DHEA、ビタミンD、葉酸を服用。
参考になることとしては
1)やはり、子宮鏡でしっかりと子宮内腔を検査する必要が確認できます。
2)AMH<0.1で1年たっても、卵子が複数とれることがあるのですね。ただ、これは個人差が大きいでしょう。
3)この方も今回が最後かもと考えていらしたそうです。今回は非常に幸運であったと思います。40歳以上ではやはり急いで治療に入る方がよいでしょう。
出産まではまだ道のりが長いですが、良い経過であることをお祈りしています。
 

2016年7月5日火曜日

他院で顕微授精3回後の40歳AIH妊娠例

このところ、ART以外での妊娠例が続きますが、またひとりご紹介致します。

前医で、顕微授精での採卵2回、胚移植3回の40歳の方が、比較的遠方から当クリニックにいらっしゃいました。
当クリニックでは、少しでも妊娠する可能性を高めるために、ART予定でも、すべての検査をおこなっています。特に反復不成功の方には一通りの検査は、見落としがないか確認するために、むしろとても重要なのです。

この方には、子宮卵管造影検査と子宮鏡検査をおこないました。
そして、子宮鏡検査をおこなったところ、12×6mmの子宮内膜ポリープがありました。反復不成功の方で、子宮鏡を受けていない方には子宮鏡は是非お勧めです。(今回は前医では子宮鏡検査は受けていなかったようです) 着床障害の検査には、子宮鏡検査は必須ですね。この方には、子宮鏡下の日帰り手術で子宮内膜ポリープを切除しました。

また、甲状腺機能の検査では、TSHが上昇し、甲状腺機能低下傾向があったので、チラジンSも補充しました。

内膜ポリープ切除後の周期には、翌周期に体外受精を控えていたので、自然周期での人工授精をおこないました。そしてなんと、以前は顕微授精を受けていたのですが、1回目の人工授精で妊娠されて、胎児心拍も認めたのです。
ご夫婦お二人とも今回の妊娠にとても驚かれて、胎児心拍を見たときには非常に感激されたようで、信じられない、とおっしゃって帰宅されました。

大切な教訓としては、
1)ARTをおこなう場合でも、基本検査は重要です。(子宮鏡、卵管造影検査、基本ホルモン検査、など)
2)精子の状態はかなりばらつきます。顕微授精を受けていても、タイミング、人工授精なども、無駄ではないのです。ARTの合間にはどんどんおこなって良いのですね。
3)子宮内膜ポリープや、重症の卵管水腫は、着床障害の大きな原因です。ARTでも子宮鏡や卵管造影検査はむしろ大切な検査であるとお考え下さい。