2013年1月29日火曜日

胚移植後の乳がん

先日、42歳の方で、体外受精・胚移植後に、乳がんと診断された方がいらっしゃいました。当クリニックでの胚移植後に、他院で受けていた乳がん検査の結果が届き、そう診断されたのです。まずはこの治療が良好に進むことをお祈り致します。

乳がん検診は、40歳以上の方が対象とされているようですが、以前、20歳代の方の芸能人の方が乳がんで急逝されたこともありました。
今は、女性の8人に一人の方が乳がんになるとも言われています。
40歳以上、
出産経験がない、
肥満、
家族に乳がんになった方がいる、
などもリスク因子とのことです。
不妊治療を受ける方も、乳がん検診、自己検診をおこなって下さることをお勧め致します。

45歳、AMH<0.1の出産報告

今年に入り、45歳の方の出産報告を受けました。この方は、AMHが0.1未満であり、初回の体外受精で1個胚移植し、幸運にも妊娠され、今回無事に出産されました。私としても、妊娠後も経過が気になっていた方でしたので、本当にうれしい限りです。このような朗報は多くの方に希望を抱かせることでもあり、皆さんにご報告致します。
一方、この方は本当に幸運であったと思います。実際には、このような成功例は非常に稀なので、妊娠を考えている方は、女性の年齢が最も影響しますから早めの治療をお考え下さい。

2013年1月20日日曜日

一卵性品胎(三つ子)の出産例(凍結胚盤胞移植)

凍結胚盤胞を1個移植して、1卵性品胎(三つ子)になり、2児が誕生された例がありましたのでご紹介致します。
胚盤胞移植では、1%程度に1卵性双胎(双子)がおこります。当クリニックでは、胚盤胞移植は通常1個なのですが、今までに5例ぐらい双胎がおきています。
今回の方も1個の胚盤胞移植でしたが、1卵性品胎となり、心拍も3人とも妊娠10週時点では認めていました。3人のままでがんばる方針となり、妊娠33週で帝王切開分娩となりました。1児は途中で心拍停止となったようです。1卵性の多胎では、流早産になる可能性が高くなります。今回2児が早産でしたが誕生されました。今後、健やかに成長されることをお祈り致しています。
今回のように、1個の胚移植でも1卵性の多胎となることがあります。2個戻すと、2卵性の品胎もおこり得ますし、それ以上の場合もあります。
医療現場においては数字通りにはいかないこともしばしばあり、生殖医学はまだまだ解らないことも多いのですが、生命の神秘に畏敬の念を抱きながら、皆さんと共に赤ちゃんの誕生に向かって進んでいきたいと思います。

新年のご挨拶とクリニックの今年の方針

皆さん、新年明けましておめでとうございます。(かなり遅いご挨拶になってしましました)
年末年始には、留学先だったシアトルのワシントン大学の教授夫妻への挨拶と、サンフランシスコのクリニックを訪問してきました。
帰国後、時差ぼけ、疲労のためか体調が優れず、皆さんへのご挨拶も本日になってしまいました。

 さて、昨年は、NHKの「卵子老化」の放映のためか、昨年半ばより、卵巣年齢検査や不妊治療をご希望なさる方が、予想以上に増加したために、待ち時間が長くなる、予約が取りにくい、電話が通じにくい、などのご不便をおかけ致しました。

 その反省を元に、今年は、通院中の皆さんへのご不便を解消すべく、電話・携帯での予約システムの導入、事務処理の効率化、などを4月をめどに導入することと致しました。
 一方、お手伝い頂いている女性医師が、諸事情により、一時的に休診となるため、クリニックの診察能力が2月より当面の間低下致します。
 このような事情により、クリニックの診察能力が回復するまで、しばらくの間、新規診察ご希望の方は、体外受精など、不妊治療を急ぐ方を優先せざるをえない状況になってしまいました。新規診察をご希望の方には大変申し訳ありませんが、検査のみ、タイミング療法などをご希望の方は、しばらくお待ち頂けるよう、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
 クリニックの状況が変わりましたらば、ホームページなどでお知らせ申し上げます。
 
 通院中の皆さんには、より早期に、効率よく妊娠されるよう、診療内容も改善していく所存です。

 今年もよろしくお願い申し上げます。
 高橋ウイメンズクリニック
 高橋敬一