2017年6月1日木曜日

低用量アスピリンは、不妊症、妊娠、流産に効果がある?

他のネットからの転記です。

低用量のアスピリンで、妊娠率、生児出産率が、改善するとの報告でした。
   J Clin Endocrinol Metab2017; 102: 1495-1504



炎症は不妊と関係し、低用量アスピリンの投与は、軽症の炎症を有する女性の妊娠能力を改善する可能性がある。

妊娠を希望し、過去に1~2回の流産歴がある、18~40歳の健康な女性1,228例を低用量アスピリン群(81mg/日)またはプラセボ群にランダムに割り付け、妊娠を試みた最高6回までの月経周期と妊娠後36週まで連日服用させた。

炎症の有無は、血清高感度C反応性蛋白(hsCRP)値により、
低値(0.70mg/L未満)、
中間値(0.70~1.95mg/L未満)、
高値(1.95mg/L以上)に分類し、妊娠率と生児出産率を比較した。

結果)
全体の妊娠率は67%、生児出産率は55%だった。

妊娠率と生児出産率が最も低かったのは、炎症反応高値で、未治療だった群で、妊娠率54%、背出産率44%、と10%程度成績が低下した。

一方、炎症反応が高い人に、低用量アスピリン投与群では、妊娠率71%、生児出産率59%と、いずれも平均より5%程度、 未治療群より15%程度、妊娠率、出産率が上昇した。
 
炎症反応が、低値または中間値だった女性では、低用量アスピリン群とプラセボ群で妊娠率および生児出産率に有意差はなかった。


印象)
1)当クリニックでは、35才以上のARTの採卵する方には、低用量アスピリンをしばしば使用していますが、そのやりかたが決して間違いではないことのデータです。低用量アスピリンがARTで有効か無効かは、それぞれのデータがあり、明確ではないのです。
2)肥満の方では、炎症反応がやや高い方がいらっしゃいます。hsCRP(高感度CRP)で1.95以上方には、低用量アスピリンを積極的に使用しても良さそうですね。






0 件のコメント :

コメントを投稿