2013年3月8日金曜日

1個の胚移植で、2卵性の双子??

先日、1個の胚盤胞移植で、双胎妊娠を経験しました。胚盤胞移植は1卵性多胎の発生率が高いとされています。1個の胚盤胞移植で、1卵性の多胎は1%程度に発生します。当クリニックでも2年に1回程度は、1個の胚盤胞移植での多胎妊娠がおこっております。

今回は、胎嚢が2個あり、1個の胚盤胞移植による2卵性双胎?である可能性がある方です。
実は、過去にも、1個の胚盤胞移植で、男児と女児が出生された経験があります。皆さん不思議だとは思いませんか?1卵性ならば同じ性であるはずですね。1卵性で性が異なるとは普通に考えると、あり得ないことですね。
しかし、現実の医療では、このようなことがあり得るのです。

実は、
妊娠した赤ちゃん一人は、凍結胚移植して妊娠した赤ちゃんです。
もう一人は、その周期が自然周期の場合に、排卵時期に性交渉があった場合、その排卵された卵子で妊娠した(と考えられる)赤ちゃんなのです。
今回の方も、自然周期の胚移植であり、卵胞発育も確認されていました。卵管も通っている方でした。当クリニックでは、体外受精を受ける方にも、卵管造影検査をおこなっているので、このようなことが、(他施設よりも多いかどうかはわかりませんが)おこるのかもしれません。(別の視点で言えば、卵管造影検査で体外受精予定の方でもしばしば妊娠する可能性があるのかも)
このような場合には、「1個の凍結胚移植による妊娠」で、男児と女児が生まれることがあり得るのです。

生命の不思議さ?、自然の不思議さ?を皆さん感じませんか?

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