2014年12月21日日曜日

子宮鏡下手術後の初回人工授精での妊娠例(掻爬手術4回経験例)

今回、子宮鏡下手術後の初回の人工授精で妊娠された方がいらっしゃいましたので、ご紹介致します。
子宮内膜ポリープの手術後の人工授精での妊娠例は特に珍しいことではありません。
しかし、この方は特殊な経過があったのです。すでに、子宮内膜増殖症で4回掻爬手術を受けていたのですね。
今までの検査と治療で、不妊治療が可能と判断されて当クリニックにいらっしゃいましたが、当クリニックで再度子宮鏡をしてみると、写真のように子宮の全面にポリープがありました。最も大きいものは1.5cmのポリープがあったのです。

御本人は、4回掻爬手術を受けていたのに、これだけのポリープを直接見て、戸惑っていらっしゃいましたが、今回、しっかりと子宮鏡下にポリープを見ながらしっかりときれいにすることなったのです。
これだけ多くのポリープがあると、悪性細胞の存在も心配だったのですが、手術後の顕微鏡検査では幸いにも悪性細胞はありませんでした。良かった~。
そして、なんと、その後初めての人工授精で妊娠されました。
着床障害のはっきりとした原因は、このような子宮内のポリープや子宮筋腫などを明確にする事が最も大切なのです。掻爬手術は手探りの手術であり、やはり取り残しが頻回におこります。当クリニックでは取り残しを避けるために、掻爬手術よりも子宮鏡下手術を原則としておこなっています。
また、多発性の子宮内膜ポリープは、かなりの頻度で再発しますので、定期的に子宮内のチェックも大切ですね。
今回は、着床障害についての説明症例が2例続きました。
体外受精などでの反復不成功の方は、子宮鏡も、より積極的に受けてみてはいかがでしょうか。


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