2015年2月8日日曜日

TWCの診療スタイルへの誤解?すぐに体外受精なのですか?

最近、高橋ウイメンズクリニックへの診療姿勢への誤解を感じた事がありましたので、皆さんに当クリニックの診療姿勢を改めてご説明致します。

どのような誤解だったかをまずは申し上げます。「TWCにいくと、すぐに体外受精になってしまう」と考えていて、来院をためらっていた、との事でした。

ホームページでも、6ヶ月以内の体外受精も選択肢に入っているかたを受け入れているので、このように理解されてしまうのでしょうが、もう少し正確にご説明致します。

現在、当クリニックでは、「積極的に妊娠したいと考えている方」のみを受け入れています。これは、当クリニックの現状のマンパワー、施設の許容量によります。

最近では、年齢の問題で、時間的に余裕がない方が多くなっているのです。したがって、「一刻も早く妊娠、出産を出来る様に、治療を急いで下さい」とお話ししているのです。その手段としては、体外受精にのみ依存するのではなく、タイミングや人工授精も並行してお勧めしています。実際には「37歳以上の方には、体外受精も選択肢として考えて下さい」とお話ししています。ただし、これは体外受精しか方法がないと言っているのではありません。このブログでも、体外受精外の方法での妊娠例も積極的にご紹介している事からもご理解頂けると思います。「お勧めしているのは体外受精を急ぐことではなく、治療と妊娠を急ぐ事」なのです。 

妊娠に向けては、総合的に検査と治療をおこなっています。体外受精のみで効率の良い妊娠が得られるのではありません。良い卵子を得るためには、アンチエイジング医療を応用しています。肥満がある場合には解消し、血流を良くする為には体を動かして頂きます。またアンチミューラリアンホルモンや、ビタミンDやC、酸化ストレス、DHEAsなどを測定して、必要に応じて、葉酸やビタミンDや、総合ビタミン剤のアシストワン、メラトニンや遠赤外線のサンビーマーなども考慮します。重症の卵管水腫には吸引術や、最近では卵管水腫硬化療法も導入しています。子宮内腔のポリープがあると体外受精でも着床が阻害されます。最近、着床障害が気にかかる方が増えていますが、着床障害の最も重要な検査は、子宮鏡による内膜ポリープや粘膜下筋腫の検査と、重症の卵管水腫がないことを確認することが最も重要なのですね。

私は、むしろ卵管にこだわりを持って性器クラミジアの研究や、腹腔鏡、卵管鏡下卵管形成術、子宮鏡などの内視鏡の手術もおこなってきました。

内視鏡手術は、できるだけ自然妊娠を目指しておこなってきました。現在、日本産科婦人科内視鏡学会の、子宮鏡手術の技術認定医の認定を受けています。腹腔鏡手術は、現在の入院施設のない施設では困難なので、現在はおこなっておりませんが、日帰りの子宮鏡下手術は年間100例を超えており、千葉県では最多ですし、全国でも屈指の手術数です。子宮鏡検査をすればこれだけの問題が実際にはあるのですね。なかなか着床しない方には子宮鏡検査は是非お勧め致します。

選択的卵管開通術は特殊な方法で、全国でもごく少数の施設でのみ行われています。通常の子宮卵管造影検査で子宮と卵管の境の卵管間質部が詰まっているときに、そのまま継続して特殊なカテーテルを使用して、卵管の入り口にカテーテルをあてて圧力をかけることで、半分はその場ですぐに開通します。時間は2~3分の追加時間で終了します。

それでも開通しない間質部閉塞には、卵管鏡下卵管形成術がおこなわれます。これも千葉県では3施設ぐらいだと思います。

性器クラミジアは卵管に癒着をおこし、女性に最も多い卵管不妊をおこします。実際に私は性器クラミジアの研究でアメリカ、シアトルのワシントン大学に留学してきました。また日本性感染症学会専門医も、クラミジア感染の研究/発表を通して取得しました。女性の不妊症の原因として最も多い性器クラミジア感染の予防にも千葉STI研究会などを通して関わっております。

当クリニックは、不妊治療を積極的に考えている方に全力を尽くすことで精一杯な現状なのです。 「不妊症の検査だけ」「とりあえずタイミング療法まで」「人工授精まで」と考えている方は、必ずしも当クリニックである必要はありません。お待たせする時間は長くなり、むしろ当クリニックでの治療は適当ではなく、ご満足も頂けないでしょう。

当クリニックの不妊治療の姿勢を再度説明させて頂きました。

皆様の早期の妊娠、出産を得られるために、当クリニックのすべての技術/総合力を注いで治療に当たる姿勢であります。ご理解を頂き、皆様と一緒に引き続きがんばっていきたいと思います。

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