2016年9月14日水曜日

他院で採卵3回、胚移植5回後の、子宮筋腫により胚移植困難だった妊娠例

他院で、採卵・顕微授精3回胚移植5回の、35歳前の方が先日妊娠されて卒業されました。
当クリニックでは採卵1回目、ロング法、8個採卵、スプリットで、体外受精で2/4受精、ICSIで4/4授精。体外受精での8細胞胚を1個移植し妊娠、卒業となりました。胚盤胞3個凍結(体外受精胚盤胞1個、ICSI胚盤胞2個)保存。

この方は、子宮後壁に85×77mm、前壁に38×33mmの筋腫がありましたが、子宮鏡検査で子宮内への突出がなく 、手術はしない方針となりました。
反復不成功症例、ビタミンDは欠乏状態の19.8だったので、アシストワンを採卵1ヶ月前から服用。
ボルタレン座薬で8個採卵。
前医では3回とも顕微授精でしたが、精子の状態は悪くなく、スプリット方を採用。
通常の体外受精でも4個中2個受精・分割しました。精子が良い場合には、以前に顕微授精であっても、今回のように半分に分けて体外受精と顕微授精をおこなうスプリット法が有効なことがありますね。

問題は、子宮筋腫が大きく、胚移植での子宮内膜が非常に見えにくかったのです。
子宮内腔はかなり腹部頭側まで上昇しており、経膣エコーではわかりません。
経腹超音波で子宮内膜を必死に探して、ほぼ真横に偏在していた子宮内に移植致しました。
今までも移植はかなり難しかったのではないかと推測されます。
しっかりと胚移植することが非常に重要なのですね。

この方は大きな筋腫があるので、今後も流産、早産に気をつける必要がありますが、良い経過である事を祈るばかりです。

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