2012年2月23日木曜日

本日感じた事

今日の診療で感じたこと3題。
1)すでに7回AIH後、体外受精胚移植施行するも妊娠せず。次回の体外受精までにとAIHを施行し妊娠。体外受精後に人工授精や自然妊娠も時々あり得ます。体外受精を受けていても、また一般不妊治療をすることも珍しいことではありません。「体外受精は最後の治療だから、体外受精に 行ってしまうともどれないのではないか」と不安がる方もいらっしゃいますが、いまでは体外受精も不妊治療の一手段であり、「最終手段」とも言えない場合もあり得ます。時間(年齢)を重要視して手段を考えていきましょう。

2)腸の疾患で、大腸をすべて切除した方が、手術により両側卵管が閉塞しました。大きな腹部の手術であり、卵管の開通手術は非常に困難・危険であり、体外受精・胚移植をおこないました。ひとり出産し、今回は、凍結保存していた胚で第2子を妊娠。無事誕生されることをお祈りします。このような方には、体外受精が最終手段であり、体外受精・医学の進歩の恩恵を幸運にも受けられた方です。

3)AMHは10月から測定方法が変わりました。以前の値のおよそ8分の1の値になっています。今回、新測定法で、1.0ng(45才相当)と非常に卵巣機能が低下した方に、排卵誘発をしました。ショート法で、HMG300単位を10日間使用。予想に反して10個も採卵できました。1つの検査結果は、絶対正しいとは限らず、他の指標を参考にして挑戦してみることも必要でしょう。

皆さん、1つの証拠、1回のことで、あることを決めつけないで、再検査や別の視点から見ることも必要だと思いますよ。共にがんばっていきましょう。当クリニックでは、相談体制が充実していると思います。臨床心理士によるカウンセリングもご利用下さい。

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