2012年2月22日水曜日

HMG誘発法のメリット

本日は、ショート法での体外受精・胚移植の36才の方の例をご紹介致します。
卵管癒着と子宮腺筋症があり他院でマイルド法を5回受けて1回妊娠(流産)した方が当クリニックにいらっしゃいました。採卵数は1回、1~2個で、胚盤胞も含めて毎回胚移植は出来ていたようです。
今までとは違う方法を試す目的で当クリニックではショート法を選択しました。採卵数は14個、採卵3日目の初期胚を2個移植し双胎妊娠し心拍も認めました。また胚盤胞も4個凍結保存できました。分娩まではまだ長くこの方が順調に経過することを祈るのみですが、凍結胚も4個あるので、今後の胚移植も容易に可能で、出産後も妊娠希望の場合には36才時の胚なので期待が十分持てそうです。
これは単に一例ですが、結果的には、HMGによる排卵誘発も有効であることを示している例だと思います。ここではHMGによる誘発が最も良いと言うつもりはありません。ただ、マイルド法が万能ですべての方に良い方法であると決めつけては不利になる可能性があると思います。今回のように、若い時の凍結胚がたくさんあれば、若いときの胚での妊娠の可能性も高くなるのです。
当クリニックでは、自然周期法、マイルド法、アンタゴニスト法、ロング法、ショート法、すべてをおこなっています。皆さんは、1人1人条件が異なります。医療すべてがそうですが、一つの治療法ですべての方が治療できるのではないのです。
排卵誘発も、一つの方法がすべての方に最良なものはありません。画一的な治療法ではなく、1人1人の条件を考えたオーダーメードによる誘発が重要であろうと思います。
一つの治療法にこだわりすぎずに、広い視点で治療法を考えてみては如何でしょうか。
これは、不妊治療一般にも言えることですが、体外受精しか治療法がないと決めつけないで相談することも大切だと思います。
ご参考になれば幸いです。

0 件のコメント :

コメントを投稿