2013年12月22日日曜日

手軽な「新しい出生前診断」ご注意を

朝日新聞に、中国の会社が、格安(10万円程度)で「新しい出生前診断」を請け負っていることが報道されました。
当クリニックにも同様な営業のパンフレットが来ましたが、これには以下のような問題点がありますので、皆様もご注意下さい。日本産婦人科学会や日本医学会も注意を喚起しています。

 血液だけで利用できる新型出生前診断は、陽性の場合には、十分な情報と知識なしに人工妊娠中絶につながる可能性があるため、日本産科婦人科学会は、遺伝に関する専門外来の設置などを要件にした日本医学会が実施施設を認定しています。
 しかし、この中国の会社が契約した医療機関はいずれも、学会の認定施設ではないとのことです。
 
 日本医学会の「遺伝子・健康・社会」検討委員会は、このままでは新型出生前診断の検査が野放しに広がりかねないと判断して、日産婦の指針や、慎重な実施を求めた厚生労働省の通知を守るよう呼びかけることを決めたそうです。

 私が知る限りでは、千葉県内では、2013年12月現在、千葉大学付属病院のみが実施しています。
 この検査は、明確に言えば統計的な検査であり、断定できる検査ではありません。最終的な確認には、羊水検査などが必要になります。
 この点なども、検査の前に、遺伝専門医がしっかりと説明とカウンセリングをおこなってから検査をするはずです。

 皆さんも、検査を受ける場合には、検査を認定されている施設か、検査の前に遺伝専門医によるカウンセリングがあるか、などを確認されてから受けるようになさって下さい。
 世の中は、グローバル化しているのですね。また医療技術もビジネスチャンスととらえる考え方が広まっていることを実感する報道でした。

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