2014年6月8日日曜日

第12回JISARTシンポジウム参加報告

6月7日、8日と札幌で、第12回JISARTシンポジウムに参加しました。
今年は、「これからの生殖医療、新しいチーム医療の在り方」がテーマでした。
実際に、生殖補助医療は、医師のみではなく、培養士、看護師、医療事務の各スタッフが協力して治療に当たる必要がありますが、医療事故防止の面からもチーム医療が必要であることなどが議論されました。







最近の情報ですが、
1)卵子提供などの「特定生殖補助医療」法案は審議中であり、日本でも徐々に卵子提供が認められる方向に進んでいます。
「JISARTは卵子提供をおこなう団体と勘違い」されている方が少なくないのですが、JISARTは生殖医療の質の改善を目指す団体であり、卵子提供を目指しているのではありません。実際には、現在はJISARTでも4施設が卵子提供をおこなっていますが、これは日本産婦人科学会や生殖医学会の公認の元におこなわれています。卵子提供は各施設の考え方によりおこなわれており、高橋ウイメンズクリニックでは卵子提供はおこなっておりません。
2)PGDについて
 着床前診断は、現在、習慣流産の方には認められていません。着床前診断には、学会の許可が必要であり、現在は致死的な重大な遺伝疾患のカップルや、染色体異常のあるカップルに対して認められています。単に習慣流産の方には認められていません。ただし、今後、限定された施設で臨床研究としておこなわれる方向ではあるようです。
3)未受精卵子、卵巣組織の凍結・保存
 癌患者さんなどの、医学的な未受精卵、卵巣組織の凍結保存はすでにガイドラインがあります。
 医学的適応に基づかない(つまり、単に高年齢での卵子凍結など)は、学会が関わることではない、との姿勢のようです。高橋ウイメンズクリニックでは、高齢などによる卵子凍結はおこなってはおりません。


今年は、札幌よさこい祭りの期間中であり、雨模様であったのが残念ですが、初めて生のよさこい祭りも見てきました。若者が団体で一糸乱れぬ、切れのある踊りを披露するのは、とても新鮮で興奮しました。わたしのクリニックの診療もこうありたいと考えるのは、単なるこじつけかな~~。
日々の診療や生活にメリハリをつけることは重要ですね。JIASRTのシンポジウムや学会に参加したり、新しいことを少しずつ取り入れるのも大切なことですね。



JISART(日本生殖補助医療標準化機関)は日本の生殖医療の質を向上させて、患者さんに安心して満足できる生殖補助医療を受けて頂くことを目的に2003年に設立された団体です。
2014年3月現在27施設が属し、関東では8施設、千葉県では高橋ウイメンズクリニックが属しています。JISART施設のある先生が、患者さんのアンケートをとったところ、JISARTについて知っている方が「0」だったとおっしゃっていました。
JISARTのホームページもありますので、是非皆さん一度訪れてみて下さい。
認定施設になるには、かなり高いハードルがあるのですが、大事なことは常に生殖医療の改善を積極的に図っている集団であるということです。皆さんの施設選択の参考にしてみて下さい。
また、今年も若手医師のための「未来を担う若手医師のための生殖医療フォーラム」も予定されています。生殖医療の将来も見据えた活動もおこなっており、高橋ウイメンズクリニックも主催側として参加します。

 
 
 
 

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