2014年8月24日日曜日

AMH<0.1、8回の採卵、9回目の胚移植で妊娠された例

「AMH<0.1は、卵子が0だといってるのではない。」 先日の臨床懇話会での名古屋の浅田先生のAMHの講演にもありました。このブログでも多くのAMH<0.1での妊娠例をご紹介してきましたが、様々な参考になる事が多いので、今後も引き続きご紹介していきます。

今回の方も、AMH<0.1であったものの、5個採卵でき、3個顕微授精し、2個胚移植して妊娠、卒業されました。
この方は、来院時40歳以上であり、来院時のAMHは1.76でした。すでに前医2施設で、5回の採卵、顕微授精と6回の胚移植を受けていました。確か精子の状態は良くないものの、過去にAIHでの妊娠、流産の経験がありました。
当クリニックのHSGで左卵管閉塞の診断。当クリニックでのAIH1回目で化学的流産。3回目で妊娠、8週で流産。
 AMH<0.1になり、体外(顕微)受精を再開。3回目の採卵、胚移植で、妊娠卒業。

この方の経過には、いくつかの考えさせられる点がありました。
①男性因子があるものの、過去にAIHでの妊娠歴があり、すでに顕微授精を6回受けていましたが、当クリニックの人工授精で2回妊娠反応が出ました。
 体外受精、顕微授精は必ずしも最終手段ではなく、今回のように顕微授精を受けていた状態でも、人工授精での妊娠の可能性があるのですね。体外受精の合間には、タイミングや人工授精も無駄ではないのですよ。少しでも妊娠する可能性を高めるために、幅広く治療法を考えては如何でしょうか。
②当クリニックでの採卵数は、4個(HMG誘発)、1個(自然周期)、5個(HMG誘発:この方の最も多い採卵数)でした。
 AMH<0.1でも卵子が複数とれることは良くあるのです。排卵誘発方法も、決めつけるのではなく、超音波検査による初期の卵胞数もみて、判断しては如何でしょうか。
③効果があったかどうかは明確には判りませんが、ビタミンC、D、DHEHsが低かったので、アシストワンと、DHEAを3ヶ月以上使用していました。
 やはり同じことを繰り返すのではなく、少しずつ変更して様々なことを試してみることも大切でしょう。

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