2014年8月26日火曜日

5回目の採卵周期で妊娠した44歳の方。大切なのはやはり良い胚を得ることです。

8月は妊娠が好調であることはすでにご紹介致しましたが、44歳の方が、5回目の採卵周期で妊娠されて胎児心拍が確認できました。少しカルテを見て振り返ってみました。

最初の2回の体外受精では、クロミフェンーHMGで排卵誘発し、3個と2個の採卵数でしたが、卵子の状態は必ずしも良くない状況でした。
AMHは0.26と低く、最終的には、アシストワン、メラトニン、DHEAを半年以上使用しました。
さらに今回は、HMGアンタゴニスト法で5個採卵し、エンブリオスコープも使用。
結果的に、2個初期胚移植して妊娠。2個の胚盤胞も凍結保存できました。
胎児心拍も確認され、今後の経過が順調であることを祈るばかりです。

今回、表面上はエンブリオスコープが有効であったように映ります。
現在、当クリニックでは、エンブリオスコープは2台あり、同時に12人の方への対応が可能です。通常5~6日培養するので、平均すると1日2~3人が受け入れ可能人数となります。現在は、主に反復不成功の方で、5個以上の採卵数の方への使用を提案しております。
しかし、空いていれば、反復不成功出ない方でも、年齢の高い方にも、早期に使用をしても良いかもしれません。空いていれば対応致しますので、ご希望の方はお尋ね下さい。

ただし、エンブリオスコープですべて解決できるものではありません。「培養液や培養器が良くなることで、胚の状態が良くなる」訳ではないのです。「培養状況が良くなると、胚の状態が悪化しにくくなる」のです。
基本は、良い胚をどれだけ採れるかによります。したがってこの方も、基本は良い胚を得るために、どのような対策をとったかによると考えています。
大切なのは、体調を整えて、アシストワンやメラトニンなどを少なくとも2~3ヶ月とり、運動などで血液循環をよくする事などを心がけることをお勧め致します。禁煙や肥満解消もとても重要なのです。
この方も、採卵時の血圧の上昇は、徐々に低下もしていました。
単に妊娠が目標なのではなく、出産まで考えるならば、全身の状態まで考える事が良いのでは無いでしょうか。むしろそれが妊娠への最も有効な対策だと思います。

0 件のコメント :

コメントを投稿