2014年9月13日土曜日

43歳、13回目の採卵周期での妊娠例

先日、43歳の方が妊娠、卒業されました。
実に、治療は5年がかり。この間、AIHも織り交ぜて、合計14回おこなっておりました。
今回、採卵11回目、胚移植14回目での採卵周期、新鮮胚盤胞移植での妊娠でした。
1年前のAMHは0.24、今回の誘発はHMGアンタゴニスト法、5個採卵、ICSIではなく体外受精、ワンステップ培養液、エンブリオスコープ使用、サプリメントはアシストワン、DHEA、メラトニン、というデータです。
採卵さえでき無かった周期、変性卵子か採れなかった周期、異常受精、など、カルテを見直して見ると、御本人は本当によく頑張られたとあらためて思います。
この間には、私も何度もカルテを見直して、評価し直して、様々な方法を提案して、試行錯誤を繰り返し、体外受精を開始してから4年経っていました。
この例は、皆さんに回数の多さを誇っている訳でも、御本人のがんばりを皆さんにお勧めするものでもありません。今回の妊娠の理由を考えると、今までも、胚盤胞はできていたのですが、今回の妊娠、卒業には、新しくおこなったことは、エンブリオスコープ、ワンステップ培養液の使用であり、その功績が大きいかもしれません。今までは胚の数が多い、反復不成功の方にエンブリオスコープをお勧めしていましたが、少し適応を拡大して4~5個の方にもお勧めしても良いかもしれませんね。まだまだ体外受精での進歩があると良いですね。今後も積極的に良い技術を取り入れていきたいと思います。今後の経過が順調であることをお祈りいたします。

エンブリオスコープは、胚の観察をカメラで行えるので、観察のために胚を外に出す必要がなく、胚へのストレスを少なくできるメリットがあります。しかし、このメリットは、胚盤胞までの長期培養の時に、より大きな効果があるのです。
初期胚での凍結と、エンブリオスコープの使用のメリットは、同時には得られないのですね。
この点はご注意下さい。

0 件のコメント :

コメントを投稿