2015年2月16日月曜日

AMHの記事

日本産婦人科医会報で、当クリニックと同じJISARTグループの名古屋の浅田レディースクリニックの浅田義正先生の「AMHの意義」についての記事がありました。
AMH(アンチミューラリアンホルモン)は「卵巣に残っている原始卵胞の量と相関するため、卵巣に残っている卵子の目安としての卵巣予備能の良いマーカーとして注目されてきた」ものです。
当クリニックでも、不妊治療の方には全員に受けて頂いていますが、再検査をすると、以前よりも上昇していることで、疑問を持つ場合や、AMHが0.1未満の感度以下の時に、妊娠できにくいとか、卵子がないと受け取る方もいらっしゃるので、浅田先生の記事から、ご紹介、ご説明致します。

1)AMHの変動係数(イメージは誤差)は15%程度ですので、30%ぐらいの変動があるのです。つまり、0.85と1.0や1.15は、ほぼ同じぐらいの値であると考えても良いということになります。
少々の上下で、高くなった、低くなった、とは判断はできないのですね。あくまで、目安として考えた方が良いですね。

2)年齢別のAMHは以下のように示されます。図1では、同じ年代でもかなりのばらつきがあるのが分かりますでしょうか。実際には、個人差が大きく、「正常値」を設定はできないのです。
したがって、図2のように、平均か中央値で、年齢ごとの値の目安にしているのです。


3)AMHがであっても、原始卵胞が全くない事ではないのです。AMHが低いことと、卵子の老化や質とは関係ないのです。

4)1ヶ月に1,000個の卵子が消滅しますが、これは、排卵、月経、治療の有無にかかわらずに消滅します。月経異常で産婦人科を訪れた場合には、早発卵巣機能不全の早期発見のためにAMHを測ることをお勧めします。また、既婚未婚に関わらず、30歳になったら1度はAMHを測定して、女性の人生設計に役立てて欲しいものです。

0 件のコメント :

コメントを投稿