2015年3月9日月曜日

AMH<0.1での妊娠例、チョコレート嚢腫術後、骨盤腹膜炎を乗り越えて

先日、AMH<0.1の方が卒業されました。AMH<0.1の方は、様々な困難を乗り越えての方が多いですね。みなさんにもご紹介致します。
この方は37歳の方ですが、過去に2回、腹腔鏡でのチョコレート嚢腫の手術を受けていらっしゃいました。来院時はAMHは0.47でした。検査の段階で骨盤腹膜炎になり、開腹手術も必要となり、術後はAMH<0.1となってしまいました。
卵巣機能がかなり低下していたので、卵胞ができたらば体外受精に挑戦する、方針で治療を継続しました。
FSHは、25や47などに上昇し、卵胞もなかなかできなかったので、プレマリンでFSHを下げて、卵巣を休ませながら、辛抱強く、自然に卵胞ができるのを待ちました。
月経もしばしばプラノバールでおこし、リセットもしました。ある周期では、月経63日目でやっと卵胞ができたこともありました。
1回目の採卵では1個採卵(月経20日目)し胚移植できましたが妊娠せず。
2回目(月経15日目)、3回目(月経13日目)の挑戦では、穿刺するも卵子をとれませんでした。
4回目の採卵は、月経24日目の自然周期で1個採卵でき、採卵御2日目で3細胞グレード3bを胚移植して、妊娠、卒業となりました。
この間は、DHEAを補充し、プレマリンも1錠から開始して、1日2錠使用していました。

FSHが20を超えて、通常では卵胞発育がない場合には、今回のように、プレマリンを使用しつつ、辛抱強く卵胞を待つのも一つの方法です。また、卵胞ができるまで3週間かかっても、今回は2回とも採卵、胚移植できました。卵胞ができるまで多少時間がかかろうとも、それで卵子が悪いとは決めつけない方が良いでしょう。
卵胞が出たならば挑戦する意義はあるのです。当クリニックには、AMH<0.1の方もたくさん通院されています。厳しい条件下での挑戦ではありますが、今回の方のような例もあります。
AMH<0.1の場合には、なんとか残っている卵巣の機能を保護しつつ、大きくなる卵胞を見つけられるようにしていきたいと思います。

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