2015年3月7日土曜日

腹部からの採卵例、巨大筋腫の場合

先日、9×7cmの大きな子宮筋腫があり、経膣超音波検査では、卵胞がみえない方に対して、腹部超音波検査で採卵し、胚移植で妊娠、卒業された方がいました。
この方は40歳超の方で、6×9cmの大きな筋腫と、4cmの筋腫があり、経膣エコーでは卵巣がみえませんでした。卵巣が腹部上部に押し上げられており、腹部からのエコーで卵巣がみえました。
筋腫核出術と、体外受精の選択肢で、まずは体外受精を希望されました。
HMGアンタゴニスト法で排卵誘発し、腹壁エコーで、腹壁を穿刺し20個採卵しました。
麻酔はプロポフォール24分間  3個胚盤胞保存
その後、自然周期で凍結胚移植し、妊娠、卒業したのです。
巨大筋腫があり、今後もたくさんの壁がありますが、順調に経過することをお祈りするばかりです。

この方法は、中途半端に子宮筋腫が大きい場合にできる方法ではありません。腹部エコーでしっかりと卵巣がみえる場合に、腹壁から採卵できるのです。
子宮筋腫が小さいと、腸が卵巣との間には入り込み、穿刺しにくいのです。

筋腫を残したままでの妊娠継続が、順調にいくかの保証もなく、この方法がベストな選択とは言い切れません。しかし、年齢との関連などを考慮すると、一つの選択肢にはなり得るでしょう。
参考例にして頂ければ幸いです。



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