2015年5月6日水曜日

高齢(38~42歳)婦人の治療方針は何を選択すべきか?

高齢(38~42歳)婦人の治療方針は何を選択すべきなのでしょうか。
当クリニックでも、「37歳以上の方は、体外受精も選択肢に入れて頂けますか」(体外受精しかありません、と言っているのではありません)とお話ししています。

2014年、アメリカ生殖学会雑誌から(抜粋)ではどうだったでしょうか。
妻が38~42歳  原因不明  6ヶ月以上の不妊カップル

クロミフェン-AIH  51組
FSH注射-AIH   52組
すぐにIVF      51組    にそれぞれ2周期行い、妊娠率を比較した。

2周期での累積妊娠率は
クロミフェン-AIH   21.6%
FSH-AIH        17.3%    (クロミッド-AIHとの妊娠率に有意差はない)
IVF            49.0%     IVFではやはり妊娠率が高かった

最初の2周期のAIHで妊娠しなかった患者が、IVFに切り替えた場合、最終的には、3つのグループで出産率は同じになった。

したがって38~42歳の原因不明カップルでは、
結果を急ぐ場合には、すぐに体外受精を、
コストパフォーマンスを考えるならば、体外受精前に2回程度のAIHを入れてよい、との結論でした。
これは、高橋ウイメンズクリニックでの考え方ともほぼ一致しています。
卵管に異常がなく、精子も正常ならば、体外受精のみでなくAIHやタイミングでの妊娠の可能性もあるのです。体外受精のみに治療を限定する必要はなく、併用しても良いのです。

一方、43歳以上では体外受精での妊娠率も極端に低下します。やはり40歳以上では早期の体外受精も考えて頂く方が良いでしょう。
また、今回では、卵管に問題があったり、子宮内膜症、子宮筋腫、精子の状態不良、などのあるカップルは含まれません。このような問題がある場合には、体外受精の導入はより早期にした方が良いでしょう。




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