2015年5月31日日曜日

やはり、禁欲期間は短い方が良いのです!

最近でも、「禁欲期間が長い方が、精子が濃くなって妊娠率が高い」「性交渉が多いと、精子が薄くなって妊娠しにくい」と考えている方が少なくありません。

1)実際には、タイミング法でも性交渉の回数が多いほど妊娠する可能性は高く、毎日性交渉を持つカップルが最も妊娠しやすいのです。

2)当クリニックでのデータでも、人工授精でも、体外受精・顕微授精でも、禁欲期間が短いほど妊娠率が高く、3日以上の禁欲期間では、成績が低下します。


今回、高度生殖医療技術研究所の月刊誌に、「採精時の禁欲期間」についての文献紹介の記事がありました。当クリニックでの説明と同等な報告でしたので、皆さんにもご紹介致します。
Fertil. Steril.という、アメリカ生殖医学会(ASRM)雑誌からのいくつかの論文です。

1)禁欲期間1日と4日では、精液量、精子濃度、全精子数は4日禁欲期間が多かったのですが、抗酸化物質は1日禁欲群が高かった。

2)禁欲期間1日と4日では、精子DNA断片率(DNAがばらばらになっている率)は、1日禁欲群が低かった。

つまり、禁欲期間が長いと、精子の数は増えますが、古い精子が増えているだけであり、質の良い精子、精液の環境は、禁欲期間が短い方が良いということです


また、体外受精では、日本の発表ですが、

3)禁欲期間を1日、2日、3日、4日、5日、6日以上で、検討すると

①受精率は変化なし

②胚盤胞到達率は、75%(禁欲1日)、50%、50%、59%、49%、44%(6日以上)と、1日禁欲(つまり前日か前々日の性交渉)が、有意に胚盤胞到達率が高かった。

③良好胚盤胞は1日、2日群で25%以上、3日禁欲群では20%未満と、禁欲は短い方が良好胚盤胞が多かった

その他には、

4)禁欲期間が0~2日の方が、運動率や正常形態率が高かった。

5)禁欲期間が長くなると、AIHの妊娠率が低下する。

などの論文があります。

以上より、以前より当クリニックでお話ししているように、

タイミング法でも、AIHでも、体外受精でも、禁欲期間は短い方が良いのです。

特に3日以上の禁欲期間は明らかに成績が低下します。

人工授精や体外受精でも、前日や前々日に性交渉を持って良いのです(むしろ積極的に持って下さい)

との説明が、再度正しいことが確認されました。

皆さん!悩むよりも行動を!!(結局下ネタ?で終わってしまうのか~)

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