2015年9月6日日曜日

典型的な着床障害の治療例(子宮内腔癒着)

最近、着床障害について質問をされることが多いのですが、どうも子宮の問題からの免疫的な着床障害をイメージされている方が多いように感じます。
しかし、本来の「着床障害」とは、子宮内の癒着、子宮内膜ポリープ、粘膜下筋腫などの問題なのです。
今回、子宮内膜の蜘蛛の巣状の癒着があった方に、内膜癒着剥離術をおこない、無事に妊娠、卒業された方をご紹介致します。
30歳後半の方で、海外で子宮内膜の増殖症で掻爬手術を受けていました。
当クリニックで、卵管造影検査と子宮鏡をおこないました。
卵管造影検査では子宮内腔は様々な場所が癒着しており、造影剤が抜けているのが分かります。


子宮鏡では、蜘蛛の巣状で、子宮鏡が子宮内に入りませんでした。したがってその後、子宮内腔癒着剥離術を日帰りでおこないました。


上の写真は、手術後の子宮鏡写真であり、子宮内腔がはっきりとみえ、卵管角も確認できます。
その後、体外受精を行い、7個採卵、ご希望により2個胚移植し、妊娠、卒業されました。

本来の着床障害とは、このように、子宮鏡や卵管造影検査で確認するものなのです。
着床障害が気になる場合には、今回のように子宮鏡や卵管造影検査で子宮内を確認することが大切なのです。

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