2016年2月11日木曜日

5回の胚移植不成功後に、卵管水腫切除して妊娠された例

先日、30歳代後半の方で、卵管水腫の切除後の胚移植1回目で妊娠されて卒業されました。
重症の卵管水腫は、やはり着床に悪影響を及ぼす、実感される例でしたのでご紹介致します。
この方は、卵管造影検査で両側の癒着を認めました。子宮内膜ポリープもあったので、内膜ポリープ切除術後に体外受精をおこないました。
採卵時には、右の卵管水腫も認めたので15cc吸引し、新鮮胚移植1回、凍結胚盤胞移植を4回行いましたが、妊娠しませんでした。
ご本人と相談し、その後、腹腔鏡で、両側卵管水腫を切除(他院)しました。
そして、その後、残っていた、最後の凍結胚(8細胞、初期胚)を移植したところ、無事妊娠されて、卒業となりました。
重症の卵管水腫とは、超音波検査でもわかるものをいいます。採卵時に吸引することで、卵管水腫内の貯留液の逆流などによる着所への悪影響は、ある程度は防げる可能性はあるのですが、両側卵管水腫であるような重症例では、やはり卵管切除まで必要かもしれません。
この方の着床障害は、重症卵管水腫と子宮内膜ポリープと考えられます。

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