2016年7月16日土曜日

座薬鎮痛剤で、どれだけの採卵が可能でしょうか?

多くの方が、採卵時の痛みを気にされています。
膣から体内に針を刺すのですから、緊張して、怖がることは当然のことと言えるでしょう。
当クリニックでは、3種類の痛み止めの方法を採用しています。
1)ボルタレン座薬:  意識はあり、採卵後すぐに歩いてベッドに帰床。

2)ペンタジン点滴:   意識はあり、採卵後すぐに歩いてベッドに帰床。ボルタレン座薬よりも鎮痛効果は強い。使用後、しばしば吐き気が強い。採卵時の卵子の様子をモニターで見ることも可能。

3)プロポフォール点滴(麻酔):  意識はなく、痛みは全く感じない。採卵時の卵子を見ることはできない。

10個以内の卵子が少ない場合にはボルタレン座薬を主に使用します。この場合には、多くの場合、主に高橋が採卵をおこないます。
一般的には、ボルタレン座薬を使用する方から順に採卵を始めます。次にペンタジン、最後がプロポフォールの方の順になります。
採卵数が多い方や、採卵時の痛みがとても怖い方にはプロポフォールの麻酔がお勧めです。この場合には、藤田医師や熊耳医師が主に採卵をおこなっています。

ところで、先週、ご本人の意向もあり、お二人の方が、卵子数がたくさんにもかかわらず、ボルタレン座薬のみで採卵をおこないました。
そして、採卵数は、 23個と 21個の卵子が得られました。 
採卵は、高橋がおこないました。
お二人とも、採卵中、私や看護師さんと話をしながら、顕微鏡で卵子を探している様子もモニターで見ながら、採卵に要した時間は、15分8分でした。
採卵後はすぐに起き上がり、ベッドに帰床しました。
採卵中、痛みを感じないわけではありませんが、今では穿刺針も細いものを使用しているので、このように20個以上の採卵数の場合でも、座薬でおこなえる事があるのですね。これが最初というのではなく、ときどきあることなのです。
もちろん、すべての方に座薬のみで採卵が可能なわけではありませんが、採卵にとても不安を感じている方に、その不安を低下する材料になればとご紹介致しました。

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