2016年12月31日土曜日

前医でICSI、2回胚移植後、ポリープ切除、自然妊娠卒業の例

長い紹介の表題となりました。
この方を紹介する理由は、2つあります。
1)ISCIを受けるほどの方でも、自然妊娠する可能性があると言うこと
2)着床障害の検査として、子宮鏡は重要であると言うこと

30才前半の方で、前医で4個採卵、3個ICSI、2個初期胚凍結、後日1個ずつ、2回融解移植するも妊娠せず。転居にて当クリニック受診しました。
 子宮卵管造影検査後に2回のAIHをおこないました。
AIH時の総運動精子数は、1回目は220万、2回目は750万でした。この2回の精子では、通常はICSIが必要な状態です。
その後の子宮鏡再検査で10×6mmの子宮内膜ポリープを認めました。




















 この方には、子宮内膜ポリープ切除術を日帰りでおこないました。
そして、術後2回目の生理の排卵周期で自然妊娠、卒業されたのです。

 この方での教訓は、
1)卵管が正常ならば、ICSIが必要な精子の状態でも、いつも同じ状態ではないので、自然妊娠、AIHで妊娠する可能性があり、日頃の性交渉も無駄ではなく、どんどん持つべきであると言うこと
 2)したがって、ICSIが必要でも、卵管造影検査も無意味ではなく、少しでも妊娠する可能性を追求するならば、HSGは必要である事
3)着床障害の検査としては、子宮鏡は非常に重要な検査であること

人間は常に同じ状態、ではないので、今回のようにしっかりと検査をして、可能性を広く持てるように治療を進めることも必要なことを確認できた妊娠例でした。


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