2017年1月1日日曜日

DAZ遺伝子欠損の重症男性因子の方の妊娠例

30才前半の方で、ご主人がDAZ遺伝子欠損の方が、妊娠・卒業されました。
DAZ遺伝子は、男性のY染色体にあり、精子の形成に関わっている遺伝子です。

重症の乏精子症がある方には、ご主人の染色体分析(Gバンド)と、DAZ遺伝子の血液検査をお勧めしています。
このご主人は、DAZ遺伝子が欠損しており、精子の濃度が計算できずに、スライドガラス上で、数匹の精子が動いている、という状況でした。
顕微授精(ICSI)も 、ぎりぎりおこなえる状況だったのです。

AMHは3.68。
年齢が若いので初回は中等度の排卵誘発のHMG-アンタゴニスト法で、12個採卵。ICSIを8個おこない、正常授精は4個、1個胚移植するも妊娠せず。胚盤胞なし。
2回目は、ロング法でおこない、15個採卵。12個ICSIし、10個授精。胚盤胞2個、初期胚2個凍結。
2日目の凍結胚盤胞移植で妊娠し、卒業されました。

重症の乏精子症の場合(精子濃度が500万未満)には、男性の染色体分析とDAZ遺伝子の分析をお勧め致します。

DAZ遺伝子が欠損していても、精子が全くいないわけではないので、ICSIにより授精卵が得られて、妊娠する可能性は十分ある。
ことが参考になると思います。


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