2017年3月5日日曜日

妊娠初期のHCG低値での卒業例

先日、凍結胚移植後の妊娠4週での血中HCGが19.9と低値の方が、胎児心拍を認めて卒業されました。
妊娠4週での血中HCG値は、当クリニックでは50以上を目標としています。これを下回ると確かにその後の成長が不良である事が多くなります。
この方は4週で19.9だったので、その後の経過を慎重に見ることになりましたが、1週間後には331と上昇し、妊娠6週には胎児心拍を認め、妊娠8週で卒業となりました。
医療では良くおこることなのですが、検査は絶対ではありません。検査会社も検査精度を上げようとがんばっていますが、そもそも人間の体はいつも一定、ではありません。また検査の誤差は常にありますし、検出部位の状態が通常とは異なる方もいらっしゃるのです。その場合には、「通常の正常値」では判断できないことも時にあるのです。
特に、妊娠初期の場合には、このような事はしばしばありますし、逆にHCGが高くても、心拍を認めずに流産となる方も少なくありません。
妊娠初期は皆さん、妊娠した喜びよりも、流産してしまうのではないかという不安の方が強く感する方が圧倒的に多いようです。
しかし、妊娠初期には、おこなえる事をしっかりおこなって、あとは赤ちゃんの力に期待しつつ、経過をしっかり見ていきましょう。
この方も、今後順調に経過して、元気なお子様が誕生されることを私も祈るばかりです。

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