2013年12月23日月曜日

着床障害は多いのでしょうか?着床しない大きな原因はやはり卵子の問題なのです。 

最近、着床障害について、よく質問されます。

内容は、「インターネットで調べると、妊娠しない原因として着床障害があり、習慣流産と同じ原因(おもに血液凝固能)が関係していると記載されているので、私に当てはまるのでしょうか?」とのようなものです。
個々で質問される方のイメージとしては、着床(妊娠)しない主な原因が、子宮や血液凝固にあるのではないか?とのことのようです。

これは少し異なったイメージがあると思います。
まず、体外受精における着床障害とは、胚移植しても妊娠しない事なのですが、、、、

着床障害の原因として、明確なものは、子宮鏡で観察して、子宮内膜ポリープ、粘膜下子宮筋腫、子宮内腔癒着、などなのです。血液凝固などによる着床症障害は、世界的にもいまだに明確には認められていないのが実情です。
子宮鏡検査で問題なければ、妊娠しないことと着床障害を、臨床的に明確には区別できません。
また、妊娠しない原因の80%程度は、胚の状況によると考えられています。子宮側における着床障害のしめる可能性は、残りの20%の中のそのまた一部のみなのです。したがって妊娠しない原因の多くても10%程度の症例に対しての漠然とした検査になるのです。
アメリカでの卵子提供においては、50歳以上の方への卵子提供の成績は、卵子提供した20歳代の方の妊娠率と同等です。子宮の問題はあまり関係ないのですね。

以上より、着床障害の検査は、現時点では、子宮鏡検査をすることがその検査・対策なのです。
同じ努力をするならば、その方向性は、胚の状態をいかに良くするかが、最も理にかなった効率的な考え方なのですね。最も重要なのは、①胚に対する対策と子宮鏡検査、②次に残り約10%に対する着床障害の検査?をすること、が、重要性の論理的な順番なのですね。

着床障害を疑う状態とは、良い胚を何度移植しても妊娠(着床)しない状況なのです。
形態の良くない胚、胚盤胞まで至らずに分割がストップしてしまう胚しか得られない、様な場合に、着床障害を疑って、習慣流産の検査をしても、的がずれている検査や治療になってしまうのではないでしょうか。

私たちは、子宮鏡をおこなって、子宮因子・着床障害の原因を排除できたならば、それ以降は胚の状態を良くすることに力を注いでいます。ビタミンC,Dや、酸化ストレステスト、DHEA検査、血糖検査、動脈硬化度テスト、脂肪酸、などの検査を行い、メラトニン、EPA、DHEA、サンビーマー、血糖改善薬、マルチビタミン、などをお勧めしています。
皆さんがすぐにおこなえる事としては、半身浴、早歩きのウォーキング、ジョギング、などもあります。
不育症の検査や治療と重なる部分もあるのですが、それ以外におこなえることも多いのではないでしょうか。

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