2014年1月12日日曜日

生殖医療ジャーナルクラブ(15周年)参加報告 その1 

本日、栃木県りんどう湖のホテルで、毎年恒例の生殖医療ジャーナルクラブに参加してきました。
今年は15周年であり、15周年特別企画の不妊症の総論の講義もありました。
荒木先生、横田先生、ありがとうございます。
さて、皆さんには数回に分けて勉強した内容をご紹介致しましょう。
この会は、毎年1月に前年1年間の不妊症専門雑誌のすべてを、2泊3日で通読する過酷な修行の会なのです。朝は7時から、夜は8~9時まで、ホテルに缶詰になって勉強します。外は寒風吹き荒れるので、脱走者は命がない!のです。
私は今年は非常に残念?ながら、明日が休日当番なので12日の日帰り参加でした。\・)()(・/

今年は100名以上の方が参加されましたが、若手も多くなりました。
私もいつの間にか、ベテランの中に分類されているようです。
ついこの前までは、若手で通用していたのだけれどな~。
 



さて、肝心の勉強した中身です。

まず、大事なことは、論文や報告は、その一つで正しいとは限らないことです。その執筆者の1意見だと考えて頂いた方が良いでしょう。学会誌に掲載されている論文も、多くの方に認められるには数年かかるわけですから、インターネットの情報は、その正確性については、信頼性はかなり低いのです。
今回の1年間の論文の通読でも、主張されている意見が割れていることは多くにあるのですね。
したがって、論文はもとより、インターネットの情報はなおさら、それが正しいと決めつけない方が良いでしょう。
このブログの意見や情報も、私の視点がかなり入った情報の選択ですので、そのつもりで眺めて下さい。なお、私のつぶやきは(  )です。

まず第1回は、クロミフェン療法について、
・クロミフェンは排卵障害の方には第一選択の治療法です。
原因不明不妊のカップルには、クロミフェン+タイミングでは妊娠率(3.3%)は高くはならない
・原因不明のカップルには、クロミフェン+AIHならば、妊娠率の上昇(9.5%)が期待できます。
(・したがって、原因不明不妊の方には、①クロミフェン+AIH、②HMG注射(+AIH)の治療法が当クリニックではお勧めします。)

黄体機能不全の診断基準は、確定はしていないのですが、クロミフェンは、黄体機能不全の是正に用いられてきました。
(黄体機能不全の治療の第一選択は、クロミフェンだと思います。)
・クロミフェンの開始日を変えても妊娠率に差は認めない。
(当クリニックでは、子宮内膜への影響を考えて生理開始3日目からの使用を標準としていますが、さほど大きな差は無いので、3日目でも4日目でも、5日目でも、神経質になる必要は無いですね)
・クロミフェン単独で排卵しない場合には、メトフォルミンの投与が勧められる。ただし、メトフォルミンを使用する場合には肝臓と腎臓の検査も実施しておく必要がある。
(当クリニックでは、メトフォルミンは、PCOの方、肥満の方、糖代謝異常の方に使用しています。肝機能は通常おこなっていますが、腎機能も今後検査をしておきましょう。ご理解をお願い致します。またHMG注射の追加使用もあり得ますね。)
・クロミフェンの副作用としては、①情緒不安定、②ホットフラッシュ、があります。視力障害も2%未満でありますが、視力障害がある場合には、他の排卵誘発を試みるべきである。
・クロミフェンでは、先天奇形のリスクは高くならない。流産率も自然妊娠と変わらない。卵巣癌と排卵誘発剤の関係も、現在では否定されている。
などでした。
もうすぐ夜中の12時ですが、千葉駅に着きますので、本日、速報はここまでです。










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