2014年4月24日木曜日

ESHRE(ヨーロッパ生殖医学会)の子宮内膜症ガイドライン(抜粋)

ESHRE(ヨーロッパ生殖医学会)の、子宮内膜症に対するガイドラインが、Human Reproduction 2014年3月号に載ったので、不妊治療に関する項目を抜粋してみました。
①子宮内膜症のある不妊女性に、スプレキュアやボンゾールなどの薬を試みるべきではない。・・・つまり、内膜症のある不妊女性には、不妊治療として薬剤療法が中心とはならないと言うことでしょう。手術やHMG-AIH、体外受精などが中心となるべきであると言うことです。
②子宮内膜症の1期、2期(つまり軽症~中等症)の不妊女性には、手術療法(最近は腹腔鏡手術)による癒着剥離で妊娠率を高められる。
③3期、4期(つまり重症の内膜症)の方には、待機療法よりも腹腔鏡手術により、妊娠率の上昇が期待できる。・・・つまり、重症の方には、手術などが必要であり、排卵誘発剤や人工授精などでは妊娠率の上昇は期待できないと言うことでしょう。最近では体外受精が主流になっています。
軽度の内膜症患者さんには、HMG-AIHをおこなうことで、待機療法(つまりタイミング法など)よりも5.6倍妊娠率が上昇する。
自然周期のAIHよりも、HMG-AIHでは5.1倍の妊娠率が得られる。
内膜症のある不妊女性に、体外受精をおこなう場合には、3~6ヶ月前から、ナフェレリール、ブセレキュア、リュープリンなどの治療薬を使用すると、妊娠率の向上が得られる
⑦3cm以上のチョコレート嚢腫があっても、体外受精前に手術をおこなうことで妊娠率が高まる根拠はない。・・・つまり、体外受精をするならば、3cm以上のチョコレート嚢腫があっても、手術せずにそのままおこなって良い、ということです。ただし、卵胞を取りにくい場合には、手術の意義はある。

内膜症への対応の目安となるガイドラインだと思います。皆さんも参考にしてみては如何でしょう。

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