2014年8月10日日曜日

排卵誘発剤とがんリスクに関係なし(欧州ヒト生殖医学会報告より)

今年は欧州ヒト生殖医学会(ESHRE)には行けなかったのですが、本日、メディカルトリビューンでその報告がありました。
1)「排卵誘発剤とがんは増加しない」アメリカで1万人を30年間の追跡した報告です。クロミフェンと、子宮内膜がん、卵巣がんの関連は無いとの結論でした。また、hMG、FSHはクロミフェンに比較して新しい薬なので、その数は少なかったが同様に、子宮内膜がん、卵巣がん、乳がん、との関連はなかった。
一方で、不妊治療をしても妊娠しなかった女性のがんのリスクは1.98倍と約2倍のリスクであったそうです。がんリスクと不妊症が関係している可能性があるとの見方でした。

2)また、卵子提供でのIVFでは、妊娠高血圧がのリスクが3倍になるとの報告もありました。卵子提供を受ける方は年齢が高いのですが、年齢を修正しても、自己卵子での妊娠のかたと比較して、リスクが3倍であるとの結論でした。
この報告では、高血圧危険因子(肥満や糖尿病)のスクリーニングや、早期治療の介入が必要との見解だとのことです。
当クリニックでも、体外受精の反復不成功の方には、糖尿病検査や、血圧が高めの方には血管年齢も調べています。やはり「不妊症と高血圧になりやすい体質には関連がある」と推測しています。今後も今まで以上に、糖尿病と血管年齢を調べていきたいと考えました。
アンチエイジングの考え方をより積極的に取り入れていくことが、徐々に明らかになっているように感じています。

0 件のコメント :

コメントを投稿