この数日で、卵子若返り治療薬のES-46について、複数の方から質問されました。全く知らないサプリメント?薬?でしたので調べてみました。私がどうこう言うのもおかしいのですが、基本的に疑問が多いので、いくつかの疑問をあげてみました。判断は皆さんご自身でしてみて下さい。この場では判断材料の一部を提示するのみに致します。
1)これを発売している医師は、癌を扱っていた外科医のようです。HPを見る限りは、日本生殖医学会にも受精着床学会にも入会していないようです。
2)日本の医学論文の検索をしましたが、当該医師の癌についての論文はありましたが、不妊症に関しての論文、学会発表は、10月21日現在では検索にはかかりませんでした。
3)ES-46についての、日本語論文も英語論文も検索しましたが見当たりません。
4)日本不妊治療学会は、いつ設立されたかが記載されていません。理事長は当該医師ですが、それ以外の役員の医師名はなく、会員数は20名と記載されています。活動実績が全く分かりません。
5)HP上の数字ですが、体外受精より人工授精の妊娠率が高い、など通常ではない数字です。また、ES-46 を使用していない初回の人工授精が35%もあるような治療成績は見たことがありません。一般的には人工授精の妊娠率は5~10%程度です。また10回以上の体外受精の妊娠率が10%をこえる様な数字も通常ありません。全く実際とは異なる数字と考えられます。
6)当該医師は、「日本アトピー治療学会」の理事長もなさっているようです。「日本不妊治療学会」と同じ手法のようですね。当該医師の検索をグーグルやYAHOOでおこなってみると、かなりきわどい話もでてきました。興味のある方はご自身で調べてみて下さい。
以上、皆さんのご判断のご参考にしてみて下さい。
96時間の禁欲後の平均の精子DNA損傷率は22.2%であったのに対して、24時間毎に射精した96時間後は17.0%と、DNA損傷率が25%低下した。
また、密度勾配法(パーコール法:当クリニックでも採用)で選別した精子では、96時間の禁欲の後よりも、その3時間後に射精したほうが48%もDNA損傷率が低下していた。
男性の禁欲期間が短く、そして、密度勾配遠心分離法によって選別した精子のほうがDNA損傷率が低いことがわかりました。
従来、自然妊娠でも、人工授精や体外受精に用いる場合でも、3~4日くらいの禁欲期間を設けるほうが妊娠に有利であるとしばしば聞きますが、禁欲期間が短いほうがDNAの損傷率が低いこと、人工授精でも洗浄・分離した方良いことがこの研究でも示されました。
皆さん、性交渉はどんどん持って頂く方が、精子も良いのですよ。禁欲期間は特にいらないのです。