本日、JISARTの認定審査講習会が開かれました。
JISARTについては皆さんご存じでしょうか?
日本生殖補助医療標準機関のことで、日本の生殖医療の質を向上させ、患者様に安心して満足できる生殖補助医療を受けていただく事を目的として結成された団体です。
日本には現在25施設が参加しており、当クリニックも会員ですが、認定施設になるには多くの項目の基準をクリアすることが必要なのです。なかなかこれが厳しいので、職員も全力で対応する必要があり、審査を受ける準備も大変ですが、皆さんに提供する医療技術の向上を目指してがんばるぞ~。
講習会後のランチミーティングでは、参加職員を前に、認定審査に向けての決意を語ったのですが、「ビジュアル系?婦人科医」を目指す私に、妻からは「エアー婦人科医にならないようにね。」との、優しい?突っ込みが、、、
あたしゃ、ゴールデンボンバー 多華葉志 警医知?か、、、
あ~れ~、 ビジュアル違い?で、目指すものからどんどん離れていく~~
落ちがよろしいようで。本日はここまで!
2013年3月18日月曜日
2013年3月16日土曜日
46歳の体外受精妊娠例(記録の更新と更なる葛藤)
シーズン記録更新となる、46歳の方が体外受精で妊娠反応がでました。
非常にうれしい結果であり、年明けの様々な改良・改善の効果が現れているのかもしれません。
まだ妊娠反応が出たばかりですが、今後の良好な経過を願うばかりです。
この方は、44歳から体外受精を開始し、採卵挑戦12回目、胚移植5回目での妊娠でした。
今回はクロミフェン-HMGで3個の採卵、1個のみ正常受精で、採卵2日目に1個胚移植し妊娠反応が陽性となったのです。DHEAは使用していました。
この方の卵巣機能はAMH<0.1であり低下状態でした。この方には、8回目の採卵施行後、胚移植出来なかったときには、昨年には「限界である」ことのお話をすでにしていたのです。その方が今回妊娠されたのです。
43歳以上の方のデータを示せば、妊娠の可能性がかなり低いことの説明は出来るでしょう。しかし、今年に入って、高齢の方の妊娠例を目にすると、個々人に対しては「限界である」との説明をすることは困難であると最近感じています。
治療の限界については、単純に、年齢のみ、AMHのみでは決められません。新しい基準の検討が必要でしょう。更なる葛藤が始まりました。皆さんも一緒に考えてみて下さい。
非常にうれしい結果であり、年明けの様々な改良・改善の効果が現れているのかもしれません。
まだ妊娠反応が出たばかりですが、今後の良好な経過を願うばかりです。
この方は、44歳から体外受精を開始し、採卵挑戦12回目、胚移植5回目での妊娠でした。
今回はクロミフェン-HMGで3個の採卵、1個のみ正常受精で、採卵2日目に1個胚移植し妊娠反応が陽性となったのです。DHEAは使用していました。
この方の卵巣機能はAMH<0.1であり低下状態でした。この方には、8回目の採卵施行後、胚移植出来なかったときには、昨年には「限界である」ことのお話をすでにしていたのです。その方が今回妊娠されたのです。
43歳以上の方のデータを示せば、妊娠の可能性がかなり低いことの説明は出来るでしょう。しかし、今年に入って、高齢の方の妊娠例を目にすると、個々人に対しては「限界である」との説明をすることは困難であると最近感じています。
治療の限界については、単純に、年齢のみ、AMHのみでは決められません。新しい基準の検討が必要でしょう。更なる葛藤が始まりました。皆さんも一緒に考えてみて下さい。
2013年3月14日木曜日
体外受精13回目の妊娠例・喜びと葛藤(治療終了の判断の難しさ)
先日、43歳の方が通算13回目の体外受精(顕微授精)で妊娠され、心拍が認められました。非常にうれしい妊娠であり、良好な妊娠経過を切に願うのみです。
この方の妊娠は、同時に不妊治療の終了の判断の難しさを浮き彫りにします。
この方は、前医で4回の体外受精を受けて妊娠せず、40歳から当クリニックでの治療を開始しました。
当クリニックでも、顕微授精を繰り返すことになりました。主にクロミフェン、クロミフェンーHMGで排卵誘発し、1~4個の採卵数、ほぼ半数は変性卵や未熟卵を認めました。通算8回目の採卵周期に科学的妊娠となりましたが、12回は臨床的妊娠はしなかったのです。昨年8月にはAMH<0.1と低下し、卵巣機能も非常に悪い状況でした。
ご本人の希望もあり、治療を継続していましたが、一般的にはこれほどの回数はあまりおこなわずに、治療の終了をお話しすることが多いでしょう。実際のデータでは、体外受精でも5~6回受けて妊娠しない場合には、それ以降に妊娠する可能性は極端に低くなるので、5~6回を目安に治療の終了についてお話しすることが一般的とされています。
しかし、今回のように13回目で妊娠、心拍を認めた例を見ると、いつ治療の終了を提案するか、医師もまた悩んでしまうのです。治療を受けている皆さんにとっても、この方の妊娠は、元気づけられる良い知らせであり、同時にまた決断に迷う面もあり得るのではないでしょうか。
不妊治療の現場では、治療法の選択に、その方の考え方が大きく影響しており、患者さんも医師も迷うことばかりなのです。
なお、今回13回目は、クロミフェンHMG誘発で3個採卵、1個は変性、1個はGV期で未熟、1個にICSIし、3日目に10細胞3bで胚移植しています。酸化ストレスも強度だったのでサプリメントは、DHEA、マルチビタミン、CoQ10、Lカルニチンでした。
先日、この方は妊娠7週で心拍を認め、無事卒業されました。
この方の妊娠は、同時に不妊治療の終了の判断の難しさを浮き彫りにします。
この方は、前医で4回の体外受精を受けて妊娠せず、40歳から当クリニックでの治療を開始しました。
当クリニックでも、顕微授精を繰り返すことになりました。主にクロミフェン、クロミフェンーHMGで排卵誘発し、1~4個の採卵数、ほぼ半数は変性卵や未熟卵を認めました。通算8回目の採卵周期に科学的妊娠となりましたが、12回は臨床的妊娠はしなかったのです。昨年8月にはAMH<0.1と低下し、卵巣機能も非常に悪い状況でした。
ご本人の希望もあり、治療を継続していましたが、一般的にはこれほどの回数はあまりおこなわずに、治療の終了をお話しすることが多いでしょう。実際のデータでは、体外受精でも5~6回受けて妊娠しない場合には、それ以降に妊娠する可能性は極端に低くなるので、5~6回を目安に治療の終了についてお話しすることが一般的とされています。
しかし、今回のように13回目で妊娠、心拍を認めた例を見ると、いつ治療の終了を提案するか、医師もまた悩んでしまうのです。治療を受けている皆さんにとっても、この方の妊娠は、元気づけられる良い知らせであり、同時にまた決断に迷う面もあり得るのではないでしょうか。
不妊治療の現場では、治療法の選択に、その方の考え方が大きく影響しており、患者さんも医師も迷うことばかりなのです。
なお、今回13回目は、クロミフェンHMG誘発で3個採卵、1個は変性、1個はGV期で未熟、1個にICSIし、3日目に10細胞3bで胚移植しています。酸化ストレスも強度だったのでサプリメントは、DHEA、マルチビタミン、CoQ10、Lカルニチンでした。
先日、この方は妊娠7週で心拍を認め、無事卒業されました。
ラベル:
AMH
,
体外受精、治療終了、反復不成功
2013年3月13日水曜日
不思議な話。子供の予言?(テレパシー?)
先日、患者さんから不思議な話を聞きました。
3歳ぐらいのお子さんがいらっしゃる40歳位の方ですが、今回2回目の体外受精(自然周期)で妊娠反応が出ました。
前回の体外受精の判定の日(その時の妊娠判定は陰性)に、お子さんに「赤ちゃんが出来ているといいね」と話しかけると、お子さんは「赤ちゃんはお空にいっちゃったよ」というような答えをされたそうです。
今回の体外受精の妊娠判定の朝に、お子さんに同じように「赤ちゃんが出来ているといいね」と話しかけると、今回は「赤ちゃんは今おなかにいるよ」と答えたそうです。
今回のクリニックでの妊娠判定で、陽性であることを告げると、その方はとても驚かれ、「鳥肌が立ちました」と、上のお子さんの話を聞かせて下さいました。
科学者の端くれである(かもしれない、かな~?)医師としては、「偶然かな~?」と思いながらも、そのようなことも信じてしまいたくなるようなお話でした。
医学という科学分野の一つの領域ですが、信じたくなるような(非科学的?な)話があっても、一概に否定はせずに、生命へのロマンや不思議さ、畏敬の念を感じても良いかな、と少し気分が良くなりました。
妊娠反応が出ないと落ち込む毎日ですが、明日からも、もう少しがんばってみようかな、と思います。
その後、この方は胎嚢が確認されました。
数日前に来院されましたが、退治の心拍を認めました。お兄ちゃんは、「赤ちゃんは一人で、おなかにいるよ」と話していたそうです。お母さんも、むしろお兄ちゃんに質問するのが怖くて不安になっているそうです。不思議な話が続いていますが、1週間後まで私も良い経過であることを祈っています。
3歳ぐらいのお子さんがいらっしゃる40歳位の方ですが、今回2回目の体外受精(自然周期)で妊娠反応が出ました。
前回の体外受精の判定の日(その時の妊娠判定は陰性)に、お子さんに「赤ちゃんが出来ているといいね」と話しかけると、お子さんは「赤ちゃんはお空にいっちゃったよ」というような答えをされたそうです。
今回の体外受精の妊娠判定の朝に、お子さんに同じように「赤ちゃんが出来ているといいね」と話しかけると、今回は「赤ちゃんは今おなかにいるよ」と答えたそうです。
今回のクリニックでの妊娠判定で、陽性であることを告げると、その方はとても驚かれ、「鳥肌が立ちました」と、上のお子さんの話を聞かせて下さいました。
科学者の端くれである(かもしれない、かな~?)医師としては、「偶然かな~?」と思いながらも、そのようなことも信じてしまいたくなるようなお話でした。
医学という科学分野の一つの領域ですが、信じたくなるような(非科学的?な)話があっても、一概に否定はせずに、生命へのロマンや不思議さ、畏敬の念を感じても良いかな、と少し気分が良くなりました。
妊娠反応が出ないと落ち込む毎日ですが、明日からも、もう少しがんばってみようかな、と思います。
その後、この方は胎嚢が確認されました。
数日前に来院されましたが、退治の心拍を認めました。お兄ちゃんは、「赤ちゃんは一人で、おなかにいるよ」と話していたそうです。お母さんも、むしろお兄ちゃんに質問するのが怖くて不安になっているそうです。不思議な話が続いていますが、1週間後まで私も良い経過であることを祈っています。
2013年3月11日月曜日
卵子の老化と酸化ストレス(受精着床学会ART生涯研修コースに参加してきました報告
本日、日本受精着床学会のART生涯研修コース(講習会)に参加してまいりました。
今回のテーマの一つは、「卵子の老化と酸化ストレス、ミトコンドリア」でした。
これは非常に興味のある内容であり、現在当クリニックでも力を入れているテーマです。
酸化ストレスと卵子の老化、ミトコンドリアとの関係、ビタミン剤などのサプリメントの可能性、などについて基礎的、実験的な情報が満載でした。
是非、4月には皆さんにも具体的なご紹介と、実践を試みたいと思います。その際には、是非ご協力をお願い致します。
なお、参加した証拠を、スマートフォンで撮影しました。
初めて、写真をブログにアップ致します。成長しているでしょう。
目指せ!ビジュアル系(何の意味がよく分からない??)婦人科医なんちって。
今回のテーマの一つは、「卵子の老化と酸化ストレス、ミトコンドリア」でした。
これは非常に興味のある内容であり、現在当クリニックでも力を入れているテーマです。
酸化ストレスと卵子の老化、ミトコンドリアとの関係、ビタミン剤などのサプリメントの可能性、などについて基礎的、実験的な情報が満載でした。
是非、4月には皆さんにも具体的なご紹介と、実践を試みたいと思います。その際には、是非ご協力をお願い致します。
なお、参加した証拠を、スマートフォンで撮影しました。
初めて、写真をブログにアップ致します。成長しているでしょう。
目指せ!ビジュアル系(何の意味がよく分からない??)婦人科医なんちって。
ラベル:
卵子の老化、酸化ストレス、講習会
2013年3月10日日曜日
プロの仕事と医師の成長(寿司屋での話)
昨日、クリニックをお手伝い下さっている医師と、道場の寿司屋さんに食事に行きました。
この寿司屋さんは、特にメニューがなく、毎回、食べたことのないようなものを出してくれます。
単に活きの良い魚介類を出すだけではなく、多くの種類のものを、一品一品に手をかけたものを出してくれます。千葉市内では最高の寿司屋かもしれません。
この店主は、非常に勉強家で、工夫する技術者でもあります。一流のプロの仕事とはこのようなものなのだろうと、感心しながらワインを飲みつつ(寿司にワインが良くあったのです)おなかいっぱいに頂きました。
「医師が自分の成長を感じるときとは」
卒業後およそ5年間はすべてが新しく勉強する経験ですから、自分の成長を容易に実感できるのです。
しかし、5年を過ぎて、ルーチンワークが一通り出来る様になると、しばしば、自分の成長があまり実感できなくなってしまいます。勤務場所が変わったり、仕事の内容が変わることで、成長が実感できることがしばしばあるのです。
自分の事を考えると、一流になるには、同じ事をしているだけでは不十分であり、常に新しいことに積極的に挑戦し、社会の要請に対応していかなければならないと考えました。
様々な「引き出し」を多く持てるようにがんばりたいと考えています。
クリニックを支えて下さっている医師の先生方は、非常に信頼の置ける方々であり、私はとても幸運なのですね。
私にも、まだ成長できる可能性があるのでしょうか。もがきながら進めていければ、と思います。
この寿司屋さんは、特にメニューがなく、毎回、食べたことのないようなものを出してくれます。
単に活きの良い魚介類を出すだけではなく、多くの種類のものを、一品一品に手をかけたものを出してくれます。千葉市内では最高の寿司屋かもしれません。
この店主は、非常に勉強家で、工夫する技術者でもあります。一流のプロの仕事とはこのようなものなのだろうと、感心しながらワインを飲みつつ(寿司にワインが良くあったのです)おなかいっぱいに頂きました。
「医師が自分の成長を感じるときとは」
卒業後およそ5年間はすべてが新しく勉強する経験ですから、自分の成長を容易に実感できるのです。
しかし、5年を過ぎて、ルーチンワークが一通り出来る様になると、しばしば、自分の成長があまり実感できなくなってしまいます。勤務場所が変わったり、仕事の内容が変わることで、成長が実感できることがしばしばあるのです。
自分の事を考えると、一流になるには、同じ事をしているだけでは不十分であり、常に新しいことに積極的に挑戦し、社会の要請に対応していかなければならないと考えました。
様々な「引き出し」を多く持てるようにがんばりたいと考えています。
クリニックを支えて下さっている医師の先生方は、非常に信頼の置ける方々であり、私はとても幸運なのですね。
私にも、まだ成長できる可能性があるのでしょうか。もがきながら進めていければ、と思います。
風疹の取り扱い
最近、風疹が流行しており、いくつかの問題点がおきています。
1)風疹抗体(HI法)で、抗体があっても、16倍以下の場合には、抵抗体価であり、再感染もありうるので、(非妊娠時に)風疹ワクチン接種を推奨しています。
2)風疹ワクチン接種後2ヶ月は避妊が必要ですが、もし万一妊娠しても、今までに問題はなく、中絶の必要性はないようです。
3)風疹抗体検査の増加に伴い、通常おこなわれているHI抗体法の供給が不足しており、EIA法による検査がおこなわれることがあります。
HI法での16倍以下の、EIA法での値は8.0(EIA価)未満が、ワクチンが必要であると判断されます。
4)HI法16倍以下、EIA法8未満の妊婦さんは
①人混みを避ける 風疹感染者のいる場所を避ける
②夫、子供には、ワクチン接種をする
③分娩後には、早期にワクチンを接種する
厚労省ホームページより
1.先天性風疹症候群の予防のためには、風しんに感染する危険性がある妊婦(風しん抗体価が低値)の周囲の人たちが風疹にり患しないことが重要であり、その意味から夫や家族の風疹ワクチン接種が望まれます。皆様の施設で外来待合室などに掲示して頂く、一般妊婦とその家族向け「風しんワクチン接種」啓発ポスターは、以下の厚労省ホームページよりダウンロードできます。ぜひご活用ください。http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/
2.風しんHI抗体検査できなくなる可能性が危惧されています。実際にHI検査が不可能となった場合は、EIA法による風しん抗体測定を行うことになります。
その場合のHI抗体価とEIA地の換算方法、EIA法の測定値に基づいた実際の具体的対応に関しては、医会ホームページ内「風しん抗体検査(HI抗体)供給不足に関する緊急通知」(PDFファイル)の中で、「風しんHI抗体価とEIA価の換算方法について」に見やすく記載してあります。http://www.jaog.or.jp/medical/document/mhlw_2013_03_06_rubella_HI_2.pdf
1)風疹抗体(HI法)で、抗体があっても、16倍以下の場合には、抵抗体価であり、再感染もありうるので、(非妊娠時に)風疹ワクチン接種を推奨しています。
2)風疹ワクチン接種後2ヶ月は避妊が必要ですが、もし万一妊娠しても、今までに問題はなく、中絶の必要性はないようです。
3)風疹抗体検査の増加に伴い、通常おこなわれているHI抗体法の供給が不足しており、EIA法による検査がおこなわれることがあります。
HI法での16倍以下の、EIA法での値は8.0(EIA価)未満が、ワクチンが必要であると判断されます。
4)HI法16倍以下、EIA法8未満の妊婦さんは
①人混みを避ける 風疹感染者のいる場所を避ける
②夫、子供には、ワクチン接種をする
③分娩後には、早期にワクチンを接種する
厚労省ホームページより
1.先天性風疹症候群の予防のためには、風しんに感染する危険性がある妊婦(風しん抗体価が低値)の周囲の人たちが風疹にり患しないことが重要であり、その意味から夫や家族の風疹ワクチン接種が望まれます。皆様の施設で外来待合室などに掲示して頂く、一般妊婦とその家族向け「風しんワクチン接種」啓発ポスターは、以下の厚労省ホームページよりダウンロードできます。ぜひご活用ください。http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/
2.風しんHI抗体検査できなくなる可能性が危惧されています。実際にHI検査が不可能となった場合は、EIA法による風しん抗体測定を行うことになります。
その場合のHI抗体価とEIA地の換算方法、EIA法の測定値に基づいた実際の具体的対応に関しては、医会ホームページ内「風しん抗体検査(HI抗体)供給不足に関する緊急通知」(PDFファイル)の中で、「風しんHI抗体価とEIA価の換算方法について」に見やすく記載してあります。http://www.jaog.or.jp/medical/document/mhlw_2013_03_06_rubella_HI_2.pdf
2013年3月9日土曜日
2月妊娠数、怒濤の妊娠ラッシュ?(かも)
2月の妊娠数が確定しました。今年の好調な成績が持続しており、83名の方が妊娠されました。
体外受精で25名、顕微授精で8名、凍結胚移植で28名、AIHで9名、その他12名でした。
妊娠の73%が体外受精関連で妊娠され、一般不妊治療での妊娠が1/4でした。
徐々に、体外受精を必要とする方が増えています。
体外受精関連の妊娠の内訳では、
顕微授精よりも体外受精が多く妊娠されています。ちなみに、少なからずの方が誤解されていますが、顕微授精よりも体外受精の方が2~3%妊娠率が高いのです。顕微授精の方が技術が高いので妊娠率が高いと誤解されているようですが、顕微授精は受精させる技術であり、妊娠率をあげる技術ではありません。ご注意下さい。
最近は凍結胚移植での妊娠率が高くなっており、ほぼ半数が凍結胚移植での妊娠です。日本全体でも、凍結胚移植数の方が半数以上を占めてきました。
日本の凍結技術は世界一ですが、世界でも徐々に凍結胚移植の妊娠数が増加しているようです。
体外受精で25名、顕微授精で8名、凍結胚移植で28名、AIHで9名、その他12名でした。
妊娠の73%が体外受精関連で妊娠され、一般不妊治療での妊娠が1/4でした。
徐々に、体外受精を必要とする方が増えています。
体外受精関連の妊娠の内訳では、
顕微授精よりも体外受精が多く妊娠されています。ちなみに、少なからずの方が誤解されていますが、顕微授精よりも体外受精の方が2~3%妊娠率が高いのです。顕微授精の方が技術が高いので妊娠率が高いと誤解されているようですが、顕微授精は受精させる技術であり、妊娠率をあげる技術ではありません。ご注意下さい。
最近は凍結胚移植での妊娠率が高くなっており、ほぼ半数が凍結胚移植での妊娠です。日本全体でも、凍結胚移植数の方が半数以上を占めてきました。
日本の凍結技術は世界一ですが、世界でも徐々に凍結胚移植の妊娠数が増加しているようです。
ラベル:
妊娠数、凍結胚、顕微授精
2013年3月8日金曜日
45歳の自然妊娠
先日、45歳の方が自然妊娠されました。
当クリニックで2回の体外受精をされましたが妊娠せず、3回目を計画していた矢先のことです。
過去のデータを詳しく調べないと明確には判りませんが、当クリニックで最高齢の自然妊娠かもしれません。
現在、妊娠7週で、心拍が確認されました。今後良い経過であることを祈りたいものです。
皆さん、性交渉を沢山持ちましょう!!!
当クリニックで2回の体外受精をされましたが妊娠せず、3回目を計画していた矢先のことです。
過去のデータを詳しく調べないと明確には判りませんが、当クリニックで最高齢の自然妊娠かもしれません。
現在、妊娠7週で、心拍が確認されました。今後良い経過であることを祈りたいものです。
皆さん、性交渉を沢山持ちましょう!!!
ラベル:
45歳、高齢妊娠、自然妊娠
1個の胚移植で、2卵性の双子??
先日、1個の胚盤胞移植で、双胎妊娠を経験しました。胚盤胞移植は1卵性多胎の発生率が高いとされています。1個の胚盤胞移植で、1卵性の多胎は1%程度に発生します。当クリニックでも2年に1回程度は、1個の胚盤胞移植での多胎妊娠がおこっております。
今回は、胎嚢が2個あり、1個の胚盤胞移植による2卵性双胎?である可能性がある方です。
実は、過去にも、1個の胚盤胞移植で、男児と女児が出生された経験があります。皆さん不思議だとは思いませんか?1卵性ならば同じ性であるはずですね。1卵性で性が異なるとは普通に考えると、あり得ないことですね。
しかし、現実の医療では、このようなことがあり得るのです。
実は、
妊娠した赤ちゃん一人は、凍結胚移植して妊娠した赤ちゃんです。
もう一人は、その周期が自然周期の場合に、排卵時期に性交渉があった場合、その排卵された卵子で妊娠した(と考えられる)赤ちゃんなのです。
今回の方も、自然周期の胚移植であり、卵胞発育も確認されていました。卵管も通っている方でした。当クリニックでは、体外受精を受ける方にも、卵管造影検査をおこなっているので、このようなことが、(他施設よりも多いかどうかはわかりませんが)おこるのかもしれません。(別の視点で言えば、卵管造影検査で体外受精予定の方でもしばしば妊娠する可能性があるのかも)
このような場合には、「1個の凍結胚移植による妊娠」で、男児と女児が生まれることがあり得るのです。
生命の不思議さ?、自然の不思議さ?を皆さん感じませんか?
今回は、胎嚢が2個あり、1個の胚盤胞移植による2卵性双胎?である可能性がある方です。
実は、過去にも、1個の胚盤胞移植で、男児と女児が出生された経験があります。皆さん不思議だとは思いませんか?1卵性ならば同じ性であるはずですね。1卵性で性が異なるとは普通に考えると、あり得ないことですね。
しかし、現実の医療では、このようなことがあり得るのです。
実は、
妊娠した赤ちゃん一人は、凍結胚移植して妊娠した赤ちゃんです。
もう一人は、その周期が自然周期の場合に、排卵時期に性交渉があった場合、その排卵された卵子で妊娠した(と考えられる)赤ちゃんなのです。
今回の方も、自然周期の胚移植であり、卵胞発育も確認されていました。卵管も通っている方でした。当クリニックでは、体外受精を受ける方にも、卵管造影検査をおこなっているので、このようなことが、(他施設よりも多いかどうかはわかりませんが)おこるのかもしれません。(別の視点で言えば、卵管造影検査で体外受精予定の方でもしばしば妊娠する可能性があるのかも)
このような場合には、「1個の凍結胚移植による妊娠」で、男児と女児が生まれることがあり得るのです。
生命の不思議さ?、自然の不思議さ?を皆さん感じませんか?
2013年3月2日土曜日
抗精子抗体(精子不動化抗体)陽性での自然妊娠例
皆さんは、抗精子抗体(精子不動化抗体)が陽性の場合には、自然妊娠や人工授精での妊娠は不可能で、体外受精しかないとお考えでないでしょうか。
一般的には、その考えで間違いではありません。しかし、抗体は、その量・強さに変動があり、一定ではないのです。
したがって、高値体価が低いときには、自然妊娠や人工受精での妊娠もあり得るのです。
今回の方は、40歳、精子不動化抗体の抗体価は3.1と、低値~中等の値でした。子宮内膜ポリープもあったので、ポリープを切除し、卵管造影検査もおこなっていました。AMHは0.28と低く、条件も良くはなかったのですが、自然妊娠されたのです。
今回は7週まで心拍を認めたものの、残念ながら9週で流産という結果でした。
「抗精子抗体陽性=体外受精」は間違いではないのですが、今回のように自然妊娠する可能性もあることを皆さんにご紹介致します。
一般的には、その考えで間違いではありません。しかし、抗体は、その量・強さに変動があり、一定ではないのです。
したがって、高値体価が低いときには、自然妊娠や人工受精での妊娠もあり得るのです。
今回の方は、40歳、精子不動化抗体の抗体価は3.1と、低値~中等の値でした。子宮内膜ポリープもあったので、ポリープを切除し、卵管造影検査もおこなっていました。AMHは0.28と低く、条件も良くはなかったのですが、自然妊娠されたのです。
今回は7週まで心拍を認めたものの、残念ながら9週で流産という結果でした。
「抗精子抗体陽性=体外受精」は間違いではないのですが、今回のように自然妊娠する可能性もあることを皆さんにご紹介致します。
2013年3月1日金曜日
44歳の妊娠例(今年のシーズン記録)
今回、44歳の方が妊娠されました。今年のシーズン記録です。
当クリニックの妊娠出産の記録は、44歳妊娠45歳出産です。
昨年も44歳の方が妊娠されて今年45歳で出産されました。
この方は現在、妊娠初期で心拍も確認されており、今年出産予定ですが、出産されれば、1年間に2人の45歳の方が出産されることになり、開院以来、いまだない吉事となります。是非とも無事に出産されるようお祈りしております。
この方の排卵誘発は、HMGアンタゴニスト法で、今回4回目の採卵であり、9個採卵、顕微授精、新鮮胚盤胞移植での妊娠です。
補助治療として、ラエンネック(プラセンタ)の点滴は週2回、サンビーマー、メラトニン、DHEAなどのアンチエイジング医療も併用しました。これらも効果があったのかと(いつも自分の都合の良いように)考えております。
今年は年初から、例年以上に良い結果が得られている気配です。この状態が続くように、またがんばっていきます。
どうも最近は硬い文章しか書けません。少しは砕けた話題も探してみましょう。
当クリニックの妊娠出産の記録は、44歳妊娠45歳出産です。
昨年も44歳の方が妊娠されて今年45歳で出産されました。
この方は現在、妊娠初期で心拍も確認されており、今年出産予定ですが、出産されれば、1年間に2人の45歳の方が出産されることになり、開院以来、いまだない吉事となります。是非とも無事に出産されるようお祈りしております。
この方の排卵誘発は、HMGアンタゴニスト法で、今回4回目の採卵であり、9個採卵、顕微授精、新鮮胚盤胞移植での妊娠です。
補助治療として、ラエンネック(プラセンタ)の点滴は週2回、サンビーマー、メラトニン、DHEAなどのアンチエイジング医療も併用しました。これらも効果があったのかと(いつも自分の都合の良いように)考えております。
今年は年初から、例年以上に良い結果が得られている気配です。この状態が続くように、またがんばっていきます。
どうも最近は硬い文章しか書けません。少しは砕けた話題も探してみましょう。
2013年2月28日木曜日
AMHが0.1未満での双胎妊娠例
AMH<0.1で双胎妊娠の例。
先日、AMH<0.1で、体外受精をすでに5回受けた39歳の方が、自然妊娠されたことを紹介致しました。その後の検査で、この方は双胎妊娠であることが判明しました。
この周期は、左右の卵巣から1個ずつ卵胞発育がありましたうえ、超音波検査上も、2卵性の双胎であると考えられます。
現在は2児とも心拍を認めていますが、当クリニックでも、AMH<0.1での双胎妊娠は初めてのことです。このようなこともあるのですねえ。私も驚きました。
卵胞が出来るうちは、がんばることも大切なのだと思います。
ただ一方で、このような方は本当に稀であり、治療の継続と終了の判断は非常に難しいと感じるのが毎日の診療でのことなのです。
先日、AMH<0.1で、体外受精をすでに5回受けた39歳の方が、自然妊娠されたことを紹介致しました。その後の検査で、この方は双胎妊娠であることが判明しました。
この周期は、左右の卵巣から1個ずつ卵胞発育がありましたうえ、超音波検査上も、2卵性の双胎であると考えられます。
現在は2児とも心拍を認めていますが、当クリニックでも、AMH<0.1での双胎妊娠は初めてのことです。このようなこともあるのですねえ。私も驚きました。
卵胞が出来るうちは、がんばることも大切なのだと思います。
ただ一方で、このような方は本当に稀であり、治療の継続と終了の判断は非常に難しいと感じるのが毎日の診療でのことなのです。
2013年2月27日水曜日
大腸全摘出術後の体外受精での出産報告
大腸全摘出術後の体外受精・胚移植で出産された方が、出産報告に来院されましたので、皆さんにもご紹介致します。
当クリニックには、大腸全摘出術後の方が数人通院中ですが、この方も、潰瘍性大腸炎で大腸全摘出術を受けていらっしゃいました。
体外受精(顕微授精)での化学的流産1回、臨床的流産が1回ののち、5回目の採卵周期で妊娠、帝王切開で出産されたのです。頻回の体外/顕微授精、妊娠初期の切迫流産も乗り越えての出産であり、今後は健やかに成長されることをお祈り致します。
一般的には、大腸全摘術を受けると、卵管水腫などがおこりやすいのですが、この方は卵管水腫がなく、体外受精でも、複数回妊娠されて、無事出産されました。妊娠前には、イレウス(腸閉塞)で入院もされましたが、腹腔内手術の方が妊娠されるのは、やはり体外受精の治療的パワーを感す。
今後も、合併症のある方の妊娠・出産例をご紹介してまいります。
当クリニックには、大腸全摘出術後の方が数人通院中ですが、この方も、潰瘍性大腸炎で大腸全摘出術を受けていらっしゃいました。
体外受精(顕微授精)での化学的流産1回、臨床的流産が1回ののち、5回目の採卵周期で妊娠、帝王切開で出産されたのです。頻回の体外/顕微授精、妊娠初期の切迫流産も乗り越えての出産であり、今後は健やかに成長されることをお祈り致します。
一般的には、大腸全摘術を受けると、卵管水腫などがおこりやすいのですが、この方は卵管水腫がなく、体外受精でも、複数回妊娠されて、無事出産されました。妊娠前には、イレウス(腸閉塞)で入院もされましたが、腹腔内手術の方が妊娠されるのは、やはり体外受精の治療的パワーを感す。
今後も、合併症のある方の妊娠・出産例をご紹介してまいります。
2013年2月22日金曜日
風疹対策、抗体16倍はワクチンが必要です。
2013年、2月1日付けで、日本産科婦人科学会から風疹対策の告知がありました。
厚労省からの風疹感染に関する通知の要旨は以下からみれます。
http://www.jsog.or.jp/news/html/announce_20130201.html
不妊症治療の方には、要約すると以下のごとく、抗体検査とワクチン接種を考えてください。
今年の風疹は、昨年の9倍であり、8割が男性である。
夫からの風疹の感染が多く、夫への風疹ワクチンは有効である。
風疹抗体が16倍以下では、再感染の可能性があり、ワクチンの接種が必要である。
妊娠を考える方は、風疹抗体検査を夫婦で受けておくことが必要でしょう。
厚労省からの風疹感染に関する通知の要旨は以下からみれます。
http://www.jsog.or.jp/news/html/announce_20130201.html
不妊症治療の方には、要約すると以下のごとく、抗体検査とワクチン接種を考えてください。
今年の風疹は、昨年の9倍であり、8割が男性である。
夫からの風疹の感染が多く、夫への風疹ワクチンは有効である。
風疹抗体が16倍以下では、再感染の可能性があり、ワクチンの接種が必要である。
妊娠を考える方は、風疹抗体検査を夫婦で受けておくことが必要でしょう。
33歳で、AMHが約0.3(47歳相当)の2名
最近、33歳の方で、AMHが0.3ぐらい(47歳相当)の方が、2名いらっしゃいました。
FSHも12~13程度に上昇しています。卵巣機能の低下は間違いないようですが、特に卵巣の手術歴はありませんでした。
このように、若くても、卵巣年齢が高い方は、しばしばいらっしゃいます。
今後は、不妊症治療には、全員にAMHを検査すべきであると考えさせられる例でした。
ブライダルチェックにも入れた方が良いとも考えましたが、もしそれで悪かったらば、むしろ結婚の妨げになる可能性もありますから、やはり結婚後にはかるべきでしょうか。
FSHも12~13程度に上昇しています。卵巣機能の低下は間違いないようですが、特に卵巣の手術歴はありませんでした。
このように、若くても、卵巣年齢が高い方は、しばしばいらっしゃいます。
今後は、不妊症治療には、全員にAMHを検査すべきであると考えさせられる例でした。
ブライダルチェックにも入れた方が良いとも考えましたが、もしそれで悪かったらば、むしろ結婚の妨げになる可能性もありますから、やはり結婚後にはかるべきでしょうか。
単角子宮、抗精子抗体陽性の方の出産報告
最近、単角子宮、卵管閉塞、抗精子抗体陽性の方が、出産されたことの報告と、お二人目を希望されて凍結胚移植にいらっしゃいました。
この方は、抗精子抗体や卵管造影検査も受けずにクロミフェン、クロミフェン-AIH6回、を2年間受けていましたし、その後体外受精での採卵を2回、胚移植を4回受けていらっしゃいました。(妊娠歴なし)
当クリニックでは、状態を再評価するために一通りの検査をおこなったところ、
1)単角子宮
2)卵管閉塞
3)抗精子抗体陽性
が新たに判明しました。
以上を踏まえて、
方針は
1)治療は体外受精
2)単角子宮であるので、胚移植は1個ずつ(前医では2個移植の時もありました)
としました。
治療と結果は
1)ロング法で排卵誘発し、8個の採卵、1個胚移植、3個胚盤胞凍結。妊娠するも8週で流産。
2)凍結胚盤胞移植し、帝王切開で出産。
単角子宮の流産率は、およそ50%程度と高くなります。これは手術で治療は出来ません。したがって、妊娠を繰り返すのみとなります。
ただ、流産率は高いのですが、単角子宮を知らないままに、妊娠出産されている方もかなり多いのです。単角子宮でも、諦めずにがんばっていきましょう。
一方、単角子宮で多胎になると、早産の可能性が高くなると考えられますので、体外受精では胚移植数は、1個にすべきでしょう。
やはり、不妊治療、体外受精前には、しっかりとした検査を受ける必要があると考えさせられた例です。
この方は、抗精子抗体や卵管造影検査も受けずにクロミフェン、クロミフェン-AIH6回、を2年間受けていましたし、その後体外受精での採卵を2回、胚移植を4回受けていらっしゃいました。(妊娠歴なし)
当クリニックでは、状態を再評価するために一通りの検査をおこなったところ、
1)単角子宮
2)卵管閉塞
3)抗精子抗体陽性
が新たに判明しました。
以上を踏まえて、
方針は
1)治療は体外受精
2)単角子宮であるので、胚移植は1個ずつ(前医では2個移植の時もありました)
としました。
治療と結果は
1)ロング法で排卵誘発し、8個の採卵、1個胚移植、3個胚盤胞凍結。妊娠するも8週で流産。
2)凍結胚盤胞移植し、帝王切開で出産。
単角子宮の流産率は、およそ50%程度と高くなります。これは手術で治療は出来ません。したがって、妊娠を繰り返すのみとなります。
ただ、流産率は高いのですが、単角子宮を知らないままに、妊娠出産されている方もかなり多いのです。単角子宮でも、諦めずにがんばっていきましょう。
一方、単角子宮で多胎になると、早産の可能性が高くなると考えられますので、体外受精では胚移植数は、1個にすべきでしょう。
やはり、不妊治療、体外受精前には、しっかりとした検査を受ける必要があると考えさせられた例です。
2013年2月21日木曜日
AMHが0.1未満で、5回の体外受精後の39歳の自然妊娠例
AMH<0.1で、5回の体外受精後の39歳の自然妊娠例。
AMH<0.1で、前医(2カ所)で4回の体外受精を受けていた39歳の方が、今回当クリニックで自然妊娠さAMHれました。私にとっても様々な教訓がありましたので、ご紹介致します。
前医で受けた直近2回の体外受精では、HMG注射による排卵誘発でも、1個と2個の採卵数で、2回とも受精卵が得られずに中止となっていました。
当クリニックでの検査と治療
1)AMH<0.1、FSH:20.01と、卵巣の機能はかなり低下。・・・DHEAも低下気味なので、DHEAを補充。
2)卵管造影検査・・・当クリニックでは、体外受精をされる方でも子宮卵管造影検査をお勧めしています。卵管水腫の有無の確認と、自然妊娠の可能性を少しでも上げることが目的です。
この方は、3年前に受けていました。今回の検査では左卵管に抵抗がありましたが、卵管の開通を確認しました。
3)活性酸素・酸化ストレスは強度であり、ビタミンDも低下していたので、マルチビタミン2倍量と、高濃度ビタミンDを投与。
4)血管年齢は56歳相当と動脈硬化があり、EPAも低下していたので、動脈硬化予防と血液の流動性改善のために、EPA投与と遠赤外線サンビーマー施行。
上記治療を並行しておこなった上で、
1)2012.9月 当クリニックでの初回の体外受精施行。
誘発方法は、マイルド法 クロミフェン+HMG4日間
採卵数4個。胚盤胞が1個得られ、胚移植するも妊娠せず。
2)2013.1月 自然周期で、左右に15mm前後の卵胞を認め、この周期に自然妊娠。
まだ胎嚢を認めたまでですが、今後の良好な経過を祈っているところです。
医学的には、このような自然妊娠は偶然でもおこりうると考えられます。
しかし、
1)体外受精が主な治療でも、卵管造影検査をおこなっていたことが、今回の自然妊娠に繋がったと考えています。実際に、当クリニックでは、他院で体外受精で妊娠されない方が、卵管造影検査後に妊娠することは珍しくはないのです。
皆さんは、体外受精を始めたらば、体外受精以外の治療法では全く妊娠しないと考えてはいませんか。体外受精が最終手段と決めつけていませんか。少しでも妊娠の可能性が上がるように、広く可能性を求めてみては如何でしょうか。
2)以前の体外受精で、HMG注射でも1個と2個の採卵数が、今回マイルド法で4個採卵でき、(妊娠は出来ませんでしたが)胚盤胞移植も出来たことは、偶然でしょうか。それとも、様々な補充療法やご本人のサンビーマーなどの地道な努力によると考えますか?
実際には、卵子の増加は不可能ですが、利用できる卵子の底上げの試みは様々あります。本来は、卵巣機能が低下する前に治療を急ぐことが良いのですが、AMH<0.1でもこのように自然妊娠もあり得るのです。
皆さんのご参考になりましたでしょうか。
AMH<0.1で、前医(2カ所)で4回の体外受精を受けていた39歳の方が、今回当クリニックで自然妊娠さAMHれました。私にとっても様々な教訓がありましたので、ご紹介致します。
前医で受けた直近2回の体外受精では、HMG注射による排卵誘発でも、1個と2個の採卵数で、2回とも受精卵が得られずに中止となっていました。
当クリニックでの検査と治療
1)AMH<0.1、FSH:20.01と、卵巣の機能はかなり低下。・・・DHEAも低下気味なので、DHEAを補充。
2)卵管造影検査・・・当クリニックでは、体外受精をされる方でも子宮卵管造影検査をお勧めしています。卵管水腫の有無の確認と、自然妊娠の可能性を少しでも上げることが目的です。
この方は、3年前に受けていました。今回の検査では左卵管に抵抗がありましたが、卵管の開通を確認しました。
3)活性酸素・酸化ストレスは強度であり、ビタミンDも低下していたので、マルチビタミン2倍量と、高濃度ビタミンDを投与。
4)血管年齢は56歳相当と動脈硬化があり、EPAも低下していたので、動脈硬化予防と血液の流動性改善のために、EPA投与と遠赤外線サンビーマー施行。
上記治療を並行しておこなった上で、
1)2012.9月 当クリニックでの初回の体外受精施行。
誘発方法は、マイルド法 クロミフェン+HMG4日間
採卵数4個。胚盤胞が1個得られ、胚移植するも妊娠せず。
2)2013.1月 自然周期で、左右に15mm前後の卵胞を認め、この周期に自然妊娠。
まだ胎嚢を認めたまでですが、今後の良好な経過を祈っているところです。
医学的には、このような自然妊娠は偶然でもおこりうると考えられます。
しかし、
1)体外受精が主な治療でも、卵管造影検査をおこなっていたことが、今回の自然妊娠に繋がったと考えています。実際に、当クリニックでは、他院で体外受精で妊娠されない方が、卵管造影検査後に妊娠することは珍しくはないのです。
皆さんは、体外受精を始めたらば、体外受精以外の治療法では全く妊娠しないと考えてはいませんか。体外受精が最終手段と決めつけていませんか。少しでも妊娠の可能性が上がるように、広く可能性を求めてみては如何でしょうか。
2)以前の体外受精で、HMG注射でも1個と2個の採卵数が、今回マイルド法で4個採卵でき、(妊娠は出来ませんでしたが)胚盤胞移植も出来たことは、偶然でしょうか。それとも、様々な補充療法やご本人のサンビーマーなどの地道な努力によると考えますか?
実際には、卵子の増加は不可能ですが、利用できる卵子の底上げの試みは様々あります。本来は、卵巣機能が低下する前に治療を急ぐことが良いのですが、AMH<0.1でもこのように自然妊娠もあり得るのです。
皆さんのご参考になりましたでしょうか。
2013年2月11日月曜日
流産後の妊娠時期はいつが適当?
少し古いデータですが、流産後の次回の妊娠まで、何ヶ月待てば良いかのデータがありましたので、皆さんにご紹介致します。論文は2010年英国医師会誌(BMJ)という権威のある雑誌で、スコットランドの調査です。
初回の流産後、6ヶ月以内の妊娠は、6~12ヶ月の妊娠に比較して、流産、子宮外妊娠、帝王切開、早産、低出生体重児、などの比率が低かったとの結果です。
結論として、流産後にはすぐに妊娠しても問題ないとの結論でした。
今までのWHOの推奨では、流産後は6ヶ月以上の間隔を置くようにされていますが、これらの基準は開発途上国の女性を対象に考えられます。日本のように妊娠年齢が高い場合には、6ヶ月以上待つのは、デメリットの方が大きいと考えるべきでしょう。
流産後2~3ヶ月待てば妊娠を試みて良いという明確な証拠は今までなかったのですが、今回の結果はすぐに妊娠して良いとの証拠になります。
ただし、「流産後すぐでも良いのか、1ヶ月待てば良いのか」は明確にはなっていません。
当クリニックでは、1回生理が来ればすぐに妊娠することをお勧めしています。
初回の流産後、6ヶ月以内の妊娠は、6~12ヶ月の妊娠に比較して、流産、子宮外妊娠、帝王切開、早産、低出生体重児、などの比率が低かったとの結果です。
結論として、流産後にはすぐに妊娠しても問題ないとの結論でした。
今までのWHOの推奨では、流産後は6ヶ月以上の間隔を置くようにされていますが、これらの基準は開発途上国の女性を対象に考えられます。日本のように妊娠年齢が高い場合には、6ヶ月以上待つのは、デメリットの方が大きいと考えるべきでしょう。
流産後2~3ヶ月待てば妊娠を試みて良いという明確な証拠は今までなかったのですが、今回の結果はすぐに妊娠して良いとの証拠になります。
ただし、「流産後すぐでも良いのか、1ヶ月待てば良いのか」は明確にはなっていません。
当クリニックでは、1回生理が来ればすぐに妊娠することをお勧めしています。
2013年2月2日土曜日
2013年1月の妊娠数
2013年の1月の妊娠数は60名でした。昨年1月を上回る妊娠数であり、今年の滑り出しの成績は良好だと考えています。これもスタッフの協力、新規に導入した最新式(と考えている)超音波装置、設備を増強した胚培養室などの賜だと(都合良く)考えているのです。
現在の妊娠の内訳は、体外受精・凍結胚移植による妊娠が2/3以上であり、高度の不妊治療を必要とする方が年々増加している状況です。
昨年は1年間で785例の方が妊娠されましたので、今年は何とか年間妊娠数800例を目指したいと考えております。
先日も、減量をしっかりされて妊娠し、出産された方がお子さん共にクリニックに報告にいらっしゃいました。診療している我々もその姿を見ると、とてもうれしいですし本当に元気が出ます。今年も一人でも多くの方が妊娠されるよう、共にがんばっていきましょう。
現在の妊娠の内訳は、体外受精・凍結胚移植による妊娠が2/3以上であり、高度の不妊治療を必要とする方が年々増加している状況です。
昨年は1年間で785例の方が妊娠されましたので、今年は何とか年間妊娠数800例を目指したいと考えております。
先日も、減量をしっかりされて妊娠し、出産された方がお子さん共にクリニックに報告にいらっしゃいました。診療している我々もその姿を見ると、とてもうれしいですし本当に元気が出ます。今年も一人でも多くの方が妊娠されるよう、共にがんばっていきましょう。
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